【フィリップ・パカレ】
日本でビオワインの造り手として最も有名で人気のあるフィリップ・パカレ。1991年「プリューレ・ロック」の醸造責任者に就任後、2000年、パカレは自らのドメーヌを設立するために「プリューレ・ロック」を退社。その時、ロマネ・コンティから醸造長のオファーを受けるも、辞退。そして数年後、待望の初ヴィンテージ2001年でセンセーショナルなデビューを飾る。発酵時に酸化硫黄無添加、酵母はすべて天然酵母を使用し、酵母を殺してしまうとされる化学肥料、農薬や除草剤は全く使用しない。出来上がるワインはピュアな果実味溢れる至極の一献となる。
【2008年ヴィンテージ】
2008年のブルゴーニュは天候などの影響から難しい年となり、造り手の力量が問われるヴィンテージ。一流の造り手は厳しい選果を行い、例年より生産量が極度に減ったところもあり、フィリップ・パカレもその一人。そんな努力の産物となった2008年ヴィンテージは、エレガントさ、芯のあるミネラル感、いきいきとした果実味、チャーミングな酸味などブルゴーニュワインの魅力を充分に表現したバランスのいいワインに仕上った。さすがパカレ!と面目躍如の逸品です。
【ポマール】
パカレの定番アイテム。果実味が柔らかくミネラル感もあり、赤い果実やスパイスの風味が豊かなワイン。タンニンは控えめで、なめらかな口当たりが楽しめる。年産5300本で平均樹齢45年、収量は28hl/ha。小石混じりの粘土石灰質の南向き斜面に位置する4つの畑、ヴォームリアン、ヴィニョ、シャニエール、シャンランの区画をブレンドして造られた。シャニエールの一部は1級畑に認定されている。赤/ACポマール
★ワインアドヴォケイト 89点
【ワインアドヴォケイト】
Black and red currants, cherry, and their distilled counterparts in the nose of Pacalet’s 2008 Pommard lead to a lithe palate tinged with fruit pit bitterness and suffused with marrowy, clean meatiness and a bone meal-like sense of things mineral. This cuvee’s origins in the high-elevation Vignots, Chanlins, and Chaniere reinforces a vintage-typical sense of vivacity and it finishes with lovely lift and a delicacy that approaches weightlessness (a description which, granted, will not be every reader’s idea of high recommendation!). I would plan to enjoy this over the next 3-4 years, although Pacalet thinks it will pick up some color and weight in bottle and envisions a longer life span. (eRobertParker.com #189 Jun 2010)