【ポートワイン/ヴィンテージ・ポート】
シェリーに比肩する世界最高峰のフォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)、ポート。種類も多く、トウニー・ポート、ルビー・ポート、ホワイト・ポート、ヴィンテージ・ポート、LBV(レイト・ボトル・ヴィンテージポート)、コルヘイタ、ライト・ドライetc。ヴィンテージ・ポートは当たり年の時のみ、単一ヴィンテージで造られる高級品。
【ブラス】
ブラス家はドウロで何世代にも亘ってワイン造りに携わっていた名門。世界最古の原産地呼称管理法は1756年、ポートワインのために誕生した。当時既に世界的な評価を得ていたポートワインの品質を守るために設立され、そのワイン産地としての境界線には石碑が立てられた。なんとブラス家が所有する畑にはその石碑が今も実存する。彼らの畑が、いかに古くから存在していたかの証左である。
ブラス家が目指すワイン造りは実に明快である。
● 並外れた品質のワインを産み出すこと
● 持続可能な手法で、ドウロらしいワインを産み出すこと
ドウロは川沿いに急斜面が続く谷あいの産地。ブドウ栽培には適しているものの、傾度の厳しい斜面のため何世紀にわたる努力でこの一帯にテラス(段々畑)をつくり上げてきた。土壌はシスト(片岩)によって構成されている。シストは水分が容易に土壌奥深くまで浸透し、ブドウを太陽熱から守り、水はけが良く畑を健康に保つ。そのため自然環境に配慮したサステーナブル農法も可能となる。
ブラス家が所有する畑は、ドウロ川の右岸に広がるテラスにブドウが植えられている。ほとんどの畑が真南向きの斜面。サステーナブル農法を実践し、所有する畑はすべてポートワイン協会最高ランクの「A」に格付けされている。
ブドウ栽培の歴史を13世紀にまでさかのぼることが可能なブラス家の畑は、ポルトガルならではの土着品種が混植され、その種類は実に約50種。さらにそれぞれが樹齢80年以上という貴重な古樹ばかり(一部若い区画は樹齢20年以上もある)。収穫はすべて手摘み。さらに、ワイナリーで人の手による2回目の選果が行われ、最高品質のブドウのみがワイン造りに使用される。そのため、ブラスが造るポートワインは全て限定生産。年間生産量が1万本を超えるポートワインは存在しない。多様な土着品種、テラスの個性を正しく表現するため、ワインの仕込みは収穫量に応じて小ロットで実践される。
またブドウの圧搾にはラガールと呼ばれる大きな桶を用い、人の足によってブドウを圧搾する。しかし手間がかかるため一部の生産者では機械による圧搾が行われている。ブラスでは全てのポートワインに対してこのラガールによる仕込みを実践している。通常のワイン造りより労力がかかる手法だが、彼らの考える「並外れた品質のポートワイン」を生産するためには必要不可欠なのである。
ブラスのポートは畑で栽培されているおよそ50種類もの土着品種が1本のワインにブレンドさる。(詳細なブレンド比率は生産者も把握していない)。このブレンドによって、特別な複雑味、フィネス、そして何より味わったことのない唯一無二の余韻が産まれる。ブラスの珠玉のポートワインをお試しあれ。
【ヴィンテージ・ポート2011】
良年にのみ生産されるヴィンテージ・ポート。ダークベリーなどの凝縮した黒果実のアロマに存在感のあるフィネス、豪華な余韻が楽しめる。2011年は100年に1度と言われるほどの超当たり年。パワフルでエレガントな逸品。アルコール度数19.5%。赤/甘口。