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マタリャーナ2018(テルモ・ロドリゲス)

【テルモ・ロドリゲス】
スペインワイン界の革命児であり、スペイン最高峰の醸造家の一人、テルモ・ロドリゲス。1962年、リオハの名ワイナリー、レメリュリを所有する一家に生まれた。ビルバオ大学(現バスク大学)を卒業後、醸造家になるためにボルドー大学醸造学部に留学。卒業後はボルドーのコス・デストゥルネル、ローヌのジャン・ルイ・シャーヴ、プロヴァンスのトレヴァロンのもとで修行を積み、1989年に実家レメリュリに戻ってくる。しかしワイン造りに対する意見の違いからオーナーである父ハイメと衝突し、実家を出る。自らの信じるワイン造りを行うため1994年に盟友とコンパニア・デ・ビノス・テルモ・ロドリゲスを設立する。
 
テルモが会社を設立した90年代のスペインでは伝統的な土着品種からカベルネ・ソーヴィニョンやメルロー、シャルドネといったフランス系の国際品種へ積極的に改植している時期であった。「このままではスペインの伝統的な土着品種やワイン文化や歴史が途絶えてしまう」と危惧したテルモは、スペイン各地に残っている古い畑の土着品種を復活させようと動き始める。放置されている古樹のブドウ畑を見つけては所有者と交渉し、近くのワイナリーの協力を得てワインを醸造していった。
 
最初の挑戦はスペイン北部ナバーラ州の外れにあるサダ村だった。カベルネとメルローに植え替えられていく中、サダ村に残っていたガルナッチャの古い畑を再生し、当時不人気だったガルナッチャの魅力をアピールした。その後も南部のマラガ、内陸部のトロ、リベラ・デル・ドゥエロ、北西のバルデラオスなど各地の古いブドウ畑を再生し、土着品種の個性に光を当て復活させていった。そんな彼の姿勢は次第に世界中のワイン関係者から注目を浴び、高い評価を得る。
 
そして1998年、遂にテルモはリオハへと戻ってくる。
当時のリオハの法規では村名や畑名をラベルに表記する事は許されておらず、大きなワイナリーのブランドと熟成期間に応じた階級に縛られていた。そこでテルモは2年以上かけて村や畑の重要性を訴え法規を変えることに成功した。(現在ではブルゴーニュのように単一畑の表記も可能となった)
テルモはリオハでも地方性や土着品種を生かしたテロワールを重視したワイン造りに挑戦していった。そして今も各村独自のワイン文化の復活を目指し、オリジナリティ溢れるスペインワインを世界に向けて発信している。

【マタリャーナ】
テルモ達は1998年からリベラ・デル・ドゥエロというワイン産地を改めて見直してみた。本当のリベラ・デル・ドゥエロを知るためには歴史を遡る必要があると考え、伝統的なブドウ栽培を行っている村の最高区画に植樹し復興計画をスタートさせた。土壌や景観の異なる5つの村を選び、それらの最高の要素を組み合わせることで、ユニークなリベラ・デル・ドゥエロ・ワインが生み出せると考えた。リベラ・デル・ドゥエロの忘れ去られた伝統を忠実に再現し、昔ながらの植樹密度を導入し、古い畑から希少な品種をすべて接ぎ木し、昔ながらのコブレ仕立てで栽培(通称ブシュヴァイン)した。
 
現在、マタリャーナはソティージョ・デ・ラ・リベラ、ロア、フエンテセン、フエンテモリノス、パルディージャの5つの村の合計21.5haで11の畑から造られる。土壌は粘土、小石混じりの赤土、石灰質、泥灰土の段々畑、礫岩と砂岩など多様。使用される品種はティント・フィノ、ナバロ、バレンシア、アルビーリョとホームページでは表記されている。ティント・フィノはスペインを代表する高貴品種テンプラニーリヨの別名。ナバロ、バレンシアは地域名ではっきりとした品種名が明記されていないがワインアドヴォケイトによるとテンプラニーリョ15%にボバル(バレンシア)、ガルナッチャ(ナバロ)、白のアルビーリョのブレンドとなっている。自然酵母でオーク樽とステンレスタンクで発酵。使用年数が異なる仏産のオーク樽で14カ月熟成。
ワインアドヴォケイトの評価を抜粋すると以下の通り。「2018年は繊細で調和のとれたエレガントなワインで、非常に表情豊かで、ビロードのようなタンニンと長いアフターが続く。エレガントでありながら、ドゥエロの素朴さとミネラルが感じられる、素晴らしいワインです。今までのマタリャーナの中で最も素晴らしいワインに違いない」と絶賛された。生産本数は22020本。2020年5月と6月にボトリングされた。このワインは11カ所の畑のブドウが使用されているがリベラ・デル・ドゥエロでは単一畑の表記が認められていないためラベルでは11の畑名が消されている。赤/スペイン/DOリベラ・デル・ドゥエロ
 
★ワインアドヴォケイト 97点
飲み頃:2022~2030年
The 2018 Matallana is the only wine they produced in Ribera del Duero, a traditional blend of Tempranillo with approximately 15% other varieties—Valenciano (Bobal), Navarro (Garnacha) and white Albillo—from different soils in five different villages: Sotillo de la Ribera, Roa, Fuentecén, Fuentemolinos and Pardilla. It fermented in oak and stainless steel vats with indigenous yeasts and matured for 14 months in French oak barrels of different ages. It has 14.5% alcohol and a pH of 3.68. The wine is subtle, harmonious and elegant, complex and with integrated oak, very expressive with velvety tannins and a long, dry, chalky finish. This is superb, elegant but with the Duero rusticity and stone minerality. It has to be the finest Matallana to date. 22,020 bottles produced. It was bottled in May and June 2020. They skipped the 2017 of this wine, as the year was decimated by killer frost. (Wine Advocate Issue 1st Feb 2023)
 

  • マタリャーナ2018(テルモ・ロドリゲス)

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    7,700円(税込)

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