【グロセット】
設立は1981年と歴史は浅いが今やオーストラリアを代表するワイナリーとなったグロセット。オーナー醸造家のジェフリー・グロセットはオーストラリアのみならず、世界でも屈指のリースリングの名匠として知られる。中でも一躍注目を集めたのは2006年英国のワイン専門誌「デキャンター」が選んだ【世界最高峰の白ワイン醸造家10人】で堂々6位に選ばれたこと。南半球ではもちろんニュー・ワールドで選ばれたのは唯一ジェフリー・グロセットのみだった。グロセット以外はワインファンなら誰も知っているフランスとドイツの名匠ばかりだった。(下記参照)
【デキャンター誌が選ぶ世界最高峰の白ワイン醸造家10人】
1位 アンヌ・クロード・ルフレーヴ(ドメーヌ・ルフレーヴ/仏)
2位 ドミニク・ラフォン(ドメーヌ・デ・コント・ラフォン/仏)
3位 エゴン・ミュラー(エゴン・ミュラー/独)
4位 アーネスト・ローゼン(ドクター・ローゼン/独)
5位 ジャン・フランソワ・コシュ(コシュ・デュリ/仏)
6位 ジェフリー・グロセット(グロセット・ワインズ/豪)
7位 ディディエ・ダグノー(ディディエ・ダグノー/仏)
8位 オリヴィエ・フンブレヒト(ツィント・フンブレヒト/仏)
9位 ピエール・トリンバック(トリンバック/仏)
10位 ドクター・マンフレッド・プリュム(JJプリュム/独)
*デャンター誌2006年7月号
また米国の専門誌「ワイン&スピリッツ」でも【世界で最も影響⼒のある現代醸造家50⼈】にジェフリー・グロセットは選ばれている。
ワイナリーはアデレードから北へ100キロに位置するクレア・ヴァレーの南端、オーバーンの町に位置する。ユニークなクレア・ヴァレーのテロワールを表現したグロセットのポーリシュヒルとウォーターヴェイルの2地区は、オーストラリア・リースリングの可能性を世界に知らしめたことでも知られている。生産されるワインはオーストラリア最高峰のリースリングワインといって過言ではなく、世界トップクラスのリースリングワインに比肩する品質である。
畑は化学肥料や農薬を使用しない認定を受けたオーガニック栽培で、細部にまでこだわり、⼿間をかけ厳しい収量制限を行っている。醸造においてはできるだけ優しく、⾃然に任せたワイン造りにより、品種と畑の個性を限りなく美しく表現することを⽬指している。そして特筆すべきはドイツやアルザスのリースリングの名酒に比肩する品質であるにもかかわらず、リーズナブルでコストパフォーマンスが高いことである。リースリングが好きな人にはぜひとも試してほしい逸品である。
クオリティに執着するジェフリー・グロセットは、コルクに変わるスクリュー・キャップ導⼊に積極的で、2000年にクレア・ヴァレーの⽣産者たちとともに、プレミアム・ワインをスクリュー・キャップでの瓶詰めを開始した。その後も、スクリュー・キャップの研究を⽬的とした基⾦を設⽴するなど、さらなる品質の向上に向け、常に⾰新と挑戦を続けている。
【ポーリッシュヒル・リースリング】
ポーリッシュヒルはマウント・ホロックス麓にあり、スプリングヴェイルと同じ標⾼ 460mの位置にある単一畑。土壌は浅い頁岩(けつがん)と固い粘土質岩盤の土壌。ブドウの根は固い岩盤を貫くことができず、横に伸び樹にストレスがかかり、密植で蔓の長さは平均70センチと短く仕⽴てられ、理想的な⽇照が与えられる。よってブドウは果粒、房もともに⼩さめで、凝縮した味わいになる。1996年より⾃然堆肥をまき、⼿作業により栽培。ブドウはドイツクローン2種とオーストラリアのクローン1種。手摘みしたブドウは樹齢ごとに6つのロットに分けてステンレスタンクで発酵・熟成。無濾過、無清澄でボトリングされる。
ラベンダーやタルカムパウダー、ハーブが香り、鮮やかな柑橘系の果実香が印象的。口中ではタイトで凝縮されたパワフルな果実味に引き締まった酸が心地よく広がる。ドライでありながら長いアフターを奏でる。ワイナリーのフラグシップであると同時にオーストラリア・リースリングを代表する名酒。ドライ・リースリングの傑作。残糖0.9g/L
★ワインアドヴォケイト 94点
飲み頃:2018~2035年
One of Australia's iconic Rieslings, the 2017 Polish Hill Riesling looks to be another terrific success. Youthful notes of petrichor and crushed stones surround a core of lemon and lime on the nose, while the medium-bodied palate is an impenetrably tight skein of wiry citrus flavors. Now and again, a glimpse of green apple or underripe peach pokes out, just to be reeled in and put in place by lime tendrils, which form almost endless curls on the finish. (Wine Advocate Issue 1st Feb 2019)