【シャトー・ド・ラ・ヴェル】
重要文化財に指定されているシャトーを所有するムルソーの名門、ダルヴィオ家。フランス革命前から9代にわたりブドウ栽培とワイン造りに携わってきた。1826年の土地台帳にはダルヴィオ家の所有畑が登記されていたという。ほとんどのワインはネゴシアンに販売していたが、80年代から自家ビン詰めを開始しドメーヌとしてスタート切った。90年代に入りワイン関係者から高い評価を受けるようになる。そして特筆すべきは1995年から10年近く、ムルソーがフランス大統領官邸(エリゼ宮)用ワインとして採用された。大統領晩餐にはシャトー・ド・ラ・ヴェルのムルソーが振舞われた。
所有畑はムルソーを筆頭にポマール、ボーヌ、サヴィニー・レ・ボーヌなど。化学肥料は使わず、リュット・レゾネを実践。畑に雑草を生やし、地中の微生物の活動を促進し畑を活性化させている。収量は1株に白は6房以下、赤は5房以下に制限し、全て手摘み収穫する。100%除梗し赤はセメントタンクで、白はオーク樽で発酵。フレッシュな果実味とテロワールを重視するため新樽率は控えめで10%前後だという。
みずみずしい果実味を持ったこれらのワインはシェフやソムリエからの評価が高く、看板ワインのムルソーを始めフランスの3つ星レストランなど30件以上の有名レストランにオンリストされている。
近年のブルゴーニュの高騰を考えると良心的な価格でコストパフォーマンスに長けたお値打品と言える。白の歴史的当たり年なった2014年ヴィンテージなら言うことないだろう。
【ポマール・レ・シャンラン】
シャンランの畑は上部が村名区画で、下部はプルミエ・クリュとなっている。このキュヴェには一部プルミエ・クリュのブドウが使用されている。平均樹齢40年の古樹。ビリー社製の228Lの樽で熟成。熟した果実味が口中に広がるお値打ちの逸品。赤/ACポマール