【クリスチャン・コンフュロン】
名門貴族コンフュロン一族のドメーヌ、クリスチャン・コンフュロン。ボンヌ・マール、ミュジニーといった珠玉のグラン・クリュを筆頭に、シャンボールやニュイ・サン・ジョルジュに秀逸なプルミエ・クリュも所有している由緒あるドメーヌ。ジャン・ジャック・コンフュロンの息子であるクリスチャンがヴージョにドメーヌを興し、1985年からクリスチャンの息子、フィリップが当主を務めている。
現当主のフィリップはドメーヌを継ぐ前はヴォギュエで修行していた人物。その腕は確かで、専門誌からの評価も高い。1985年から事実上無農薬のリュット・レゾネで、SO2の使用も最小限。新樽もまったく使用しない。出来上がるワインは新樽で厚化粧したものとは無縁な、クラシックでエレガントな一献。しなやかでレースのような果実味を堪能できる美酒。2015年のプルミエ・クリュ・ヴォークランでこの価格は魅力的。
【ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ヴォークラン】
グラン・クリュに匹敵すると評されるプルミエ・クリュがいくつもあるニュイ・サン・ジョルジュ。実際いくつかの畑がグラン・クリュへの格上げが検討されているという。その中で誰も認める最高峰の畑が、「レ・サン・ジョルジュ」。その次は「レ・カイユ」とこの「レ・ヴォークラン」。ニュイ・サン・ジョルジュの御三家と言ったところ。3つの畑は全て隣接しており、ヴォークランは一番濃厚で香り高いと評されている。ドメーヌの所有面積は僅か0.25haで平均樹齢50年の古樹。赤/1級畑
【試飲】
グラスに注ぐと熟した果実の複雑で濃密な香りが漂う。だが口中に含むとしなやかでエレガントな果実味が広がっていく。抜栓直後はややフラットだが、時間と共に開花していく。濃密ではないが、エレガントさの中に芯のある果実味を感じる。またこのワインは単独で楽しむより、料理と一緒に楽しむと魅力が一層引き出せる。たまたま焼き鳥のレバー(たれ)と掛け合わせたら果実味が甘く妖艶になった。今飲んでも楽しめるが、もう少し寝かせたらもっと深遠な味わいになるだろう。(2018年5月中旬試飲)