白ワインの巨匠、コシュ・デュリのジャン・フランソワ・コシュから薫陶を受けた注目の醸造家、パスカル・クレマン。ファースト・ヴィンテージは2011年ながら、自国のフランスはもとより、欧米各国のインポーターからオファーが殺到している注目の新世代ネゴシアン。
【パスカル・クレマン】
パスカル・クレマンはポマールのブドウ栽培農家の出身だが、残念なことに相続する畑はなかった。ワイン造りを勉強するために初めて勤務した所が、幸運にも白ワインの名ドメーヌ、コシュ・デュリだった。1990~1994年まで当時の当主である白ワインの巨匠、ジャン・フランソワ・コシュより直々に醸造技術とワイン哲学を学んだ。パスカル自ら「醸造家としての全てを彼から学んだ」と公言するほど。まさにジャン・フランソワ・コシュの愛弟子である。
その後コシュ・デュリで培った手腕を買われ名門メゾン「シャンソン」のカーヴ長を務め、リュリー村最大のドメーヌ、ドメーヌ・ベルヴィルの醸造長を務めた。そして2011年、サヴィニー・レ・ボーヌに自らのメゾン、パスカル・クレマンを設立した。
ブドウは全て買いブドウだが、クオリティーの高い栽培農家を厳選し調達。醸造、熟成、ビン詰めまで自ら行う。除梗はせず天然酵母のみで発酵。バトナージュは行わない。全てのワインは樽発酵。ファースト・ヴィンテージとなる2011年は17樽リリース(1樽=約300本)、2012年が50樽。2013年が75樽、2014年が105樽、2015年が125樽・・・・・2017年150樽と生産数は毎年少しづつ増えているが、創業時より欧米各国のインポーターが取り扱いを開始し、フランスの有名レストランにも次々とオンリストされているため、各国完全割り当て制となっている。また、2015年にはサヴィニー・レ・ボーヌに念願の自社畑を取得した。
仕上がったワインはテロワールの特徴をナチュラルに引き出し、果実味と酸のバランスが素晴らしい。口中で広がる旨みは懐石料理のように端正で美しい。ジャン・フランソワ・コシュの愛弟子というのが納得できる一献。
ちなみに現在でもコシュ・デュリとは親密な関係が続いており、退社してからも毎年アソートメントのセットを頂いているという。現当主の息子のエリック・コシュとも親友で様々な情報交換を行っている。
【サヴィニー・レ・ボーヌ・ゲトット・ブラン】
フェルマージュによるゲトットの畑。0.2ha。樹齢35~40年の古樹。樽で発酵後、新樽率25%で16ヶ月間熟成。