【シュヴロ】
コート・ド・ボーヌ最南端のAOCマランジュ。数多のブルゴーニュのアペラシオンの中でも指折りのマイナー産地。しかし、1989年にAOCに認定されてからマランジュは驚くほどの進化を遂げている。コストパフォーマンスの高さではブルゴーニュで指折りのAOCである。そのマランジュを代表するドメーヌがシュヴロだ。
現当主のパヴロ・シュヴォロの奥さんが日本人のかおりさんであったことから日本では馴染みのあるドメーヌ。マランジュのテロワールを重視し、マランジュのワインを表舞台に押し上げた実力派ドメーヌでもある。(現在かおりさんはシュヴロを離れ、ドメーヌ・ド・モンティーユの函館プロジェクトに参加している)。
マランジュ村は2億年以上前のジュラ紀の土壌から成っている。シュヴロの所有する8haの畑もその時代の石灰土、粘土と白亜の混合土が表土を形成し、ブドウ栽培には恵まれた環境にある。現在最も古いブドウで約80年、平均で樹齢は35年だという。畑では3代に渡って自然環境に敬意を払い、丁寧に耕作を行ってきた。現在では完全にビオロジック栽培に移行し、トラクターを使わず、馬による耕作を行っている。ドメーヌは3代目当主パヴロと弟のヴァンサンによって運営される。出来上がるワインは果実味豊かで、しっかりとした骨格を持つバランスの良い一献。まさにマランジュのワインを代表する逸品ばかり。特にプルミエ・クリュは南向き斜面に位置し、赤ワインはしっかりとした骨格とタンニンでフィネスもあり、10年以上の熟成も期待できる。現在マランジュで生産されているワインの約95%が赤ワインだが、シュヴロは傑出した白も造っている。
【マランジュ・ブラン・フシエール】
マランジュでは非常に珍しいジュラ紀の石灰岩盤が露出した畑の最上部の区画で機材も入れない急斜面。所有面積0.32ha。土壌は非常に痩せて粘土は少ない。ピノ・ノワールには水分が少なく不向きだが、シャルドネにとっては最良の区画。マランジュのイメージを覆すシャルドネを味わえる。マランジュを代表する白ワイン。白/1級畑。
★ワインアドヴォケイト 91点
飲み頃:2018~2028年
The 2017 Maranges 1er Cru Fussière Blanc offers up aromas of citrus oil, pear, petrol and fresh mint, followed by a medium to full-bodied, unctuous and fleshy palate that's broad, expansive and satiny textured, exemplifying white Maranges at its most gourmand. (Wine Advocate Issue 1st Aug 2019)