【ジョセフ・ロティ】
ジュヴレの名ドメーヌ、ジョセフ・ロティ。ドメーヌの歴史としては1817年まで遡ることができる由緒ある造り手。畑はマルサネとジュヴレを中心に7ha所有している。現在造られているキュヴェは21種類。ブルゴーニュ・ルージュなどのジェネリックワインが6種類、マルサネが8種類、ジュヴレが7種類。特筆すべきは所有するブドウ樹は歴史的遺産と言っても過言でない古樹ばかり。このドメーヌにしたら40~50年の古樹なんてまだまだ若いって感じだ。ブルゴーニュ・ルージュで使われているのでさえ樹齢45~70年。ドメーヌ唯一のプルミエ・クリュ、ジュヴレ・レ・フォントニで樹齢80年以上。ドメーヌの象徴とも言うべき、シャルム、マジ、グリオットの3つグラン・クリュに関しては樹齢100年以上となる。
栽培は厳格なリュット・レゾネ(基本的にはビオロジック)で、収穫は全て手作業。醸造は伝統的なスタイルで上面開放タンクを使用。温度管理を徹底し、手動でピジャージュし約3週間の発酵。樽は最上級のトロンセとヴォージュ産を使用。樽熟成約15~18カ月。新樽率はグラン・クリュで80~100%、プルミエ・クリュ、村名は約50~65%。清澄や濾過をせずにビン詰め。出来上がるワインはピュアな果実味で密度の濃いエレガントな逸品となる。しなやかで洗練されていながら、非常にポテンシャルが高く長熟でもある。
現在ドメーヌは2015年10月に若くして急逝したフィリップ・ロティの跡を継ぎ、弟のピエール・ジャン・ロティが仕切っている。ドメーヌを代表するヴィンテージとなった2019年をワインアドヴォケイト(2022年1月21日号)ではこう説明している。
「ピエール・ジャン・ロティは、2019年ヴィンテージを「寛大さ(generosity)と新鮮味(freshness)」と定義した。仮に例えるとするならドメーヌの2005年と2012年をブレンドしたようなワインと答えた。2019年らしい魅力と官能性、そしてこのドメーヌらしい深い(果実味)と(ワインの)骨格が見事に調和し、広く長い飲み頃を兼ね備えたワインに仕上がっている」
2019年のブルゴーニュを代表するドメーヌと言って過言でないジョセフ・ロティ。ブルゴーニュファンはお見逃しなく。
【ブルゴーニュ・ルージュ・キュヴェ・ド・プレソニエール】
ワンランク上の超お値打ちのブルゴーニュ・ルージュ。樹齢45~70年以上の古樹を使用。新樽率25%で15~18カ月熟成。ビン詰め後10か月以上のビン熟を経てリリース。
プレソニエールの畑は1994年まではジュヴレ・シャンベルタンだった区画。現在もプレソニエールの上部はジュヴレ・シャンベルタンでリリースされているが、ドメーヌが所有する下部はACブルゴーニュに格下げされた。しかし並みのACブルゴーニュとは一線画する稀有な一献。ACブルゴーニュとしては驚くほど長熟で20年以上の熟成が可能である。ブラインドで飲んだらジュヴレ・シャンベルタンだと思うだろう。ポテンシャルが高いワインなので、できれば抜栓は1~2年後がお薦めである。しなやかなタンニンはヴォーヌ・ロマネを彷彿させるほど。赤/ACブルゴーニュ
★ワインドヴォケイト 89点
飲み頃:2025~2040年
Exhibiting aromas of cherries, raspberries, peonies and licorice, the 2019 Bourgogne Pressonnier is medium-bodied, deep and vibrant, with tangy acids, powdery tannins, and a long, penetrating finish. It's the most serious and age-worthy of Roty's regional bottlings. (Wine Advocate Issue 21th Jan 2022)