【ミシェル・エ・ジョアンナ・エカール】
日本でもファンが多かったサヴィニーの銘ドメーヌ、モーリス・エカール。サヴィニーの珠玉のプルミエ・クリュを数多く所有していることでも知られる。しかし相続の関係で、一部の畑を残して、ドメーヌをムルソーのネゴシアン、ジャン・バティスト・ベジョに売却する。2004年、息子ミシェルは残された1/3の畑を引き継ぎ、妻ジョアンナとミシェル・エ・ジョアンナ・エカールを設立し、エカール家は新たなスタートを切った。
父親譲りのピュアで果実味溢れるワイン造りは引き継がれている。ブドウは除草剤を使わないリュット・レゾネを採用し、100%除梗する。新樽率は15~20%で熟成期間は約12カ月。その後ステンレスタンクで4ヶ月熟成しノンフィルターでビン詰め。父親のモーリス時代と同様、難しいヴィンテージの時でも飲む者の期待を裏切らない。ナチュラルでシルキーな果実味を味わえる逸品に仕上げる。
【サヴィニー・レ・ボーヌ・ルージュV.V.】
4つの異なる区画をブレンドして造られる。ブドウは全て1960年代に植樹された樹齢50~60年の古樹。区画毎にセメントタンクで自然酵母による発酵。発酵は8~10日間の低温浸漬後、16度位から始まり、34度まで上昇。アルコール発酵完遂後、まだ酵母が生きているタイミングで38度まで温度を上げるという独特の醸造法。無清澄、無濾過でビン詰め。ダークチェリー、ブルーベリーに軽いスパイスのアロマ。ミディアムからフルボディでしなやかなタンニンで、古樹による果実の深みを感じるお値打ちの1本。子羊のロースト、ハーブ入りポークソーセージなどとは相性は抜群。
2016年は2015年に匹敵する素晴らしい年。残念なことに霜による被害で収量は激減した。エレガントで表現力豊か、活気に満ちた果実味溢れるヴィンテージ。赤/ACサヴィニー・レ・ボーヌ
(注)現在「モーリス・エカール」の名の使用権と共に、モーリス・エカールが所有していたプルミエ・クリュの多くは他の会社に20年間の契約で貸し出されている。よって現在もモーリス・エカール名のワインは存在するがエカール家はワイン造りには関わってない。