【クロード・デュガ】
所有する畑は僅か約6ha余りだが、カルト的人気誇るブルゴーニュの名匠、クロード・デュガ。かつてロバート・パーカーがロマネ・コンティを脅かす存在になると評したほど。畑は全てジュヴレ・シャンベルタンにあり、1.5haがブルゴーニュ・ルージュ、3.5haが村名格のジュヴレ・シャンベルタン、残りがプルミエ・クリュとグラン・クリュになる。
耕作には馬を使いリュット・レゾネ(減農薬法)で栽培されている。テロワールを重視し徹底した選果により凝縮感溢れるブドウを収穫する。仕上がったワインは高貴な香で、凝縮された果実味は複雑でエレガント。ピノ・ノワールの真髄をたっぷりと堪能できる至極の逸品となる。
クロード・デュガのワインをブラインドで試飲すると、ブルゴーニュ・ルージュが村名格のジュヴレ・シャンベルタン、村名格のジュヴレ・シャンベルタンがプルミエ・クリュ、プルミエ・クリュはグラン・クリュと、どのワインもワンランク上のアペラシオンと間違えんばかりのクオリティー。(グラン・クリュはいったいどうなるのか?)。それほどこのドメーヌのワインは傑出している。まさにブルゴーニュファンには垂涎の一献。
クロード・デュガは2012年頃から一線を退き、現在、長男のベルトランが当主となりドメーヌを陣頭指揮している。
【クロード・デュガによる2020年ヴィンテージ】
夏は乾燥と猛暑が続き、8月21日に収穫を開始した。8月中に収穫が終わったのはこの年が初めてです。降雨量が不足していたため、得られた果汁は少なかったものの、深みのある色合いを呈した濃密でリッチなワインに仕上がった。黒果実を思わせるアロマは、ブドウが十分に熟していることを示しています。収穫時期を早めることは、とても重要だと考えています。というのもブドウ本来の酸を保持することができ、結果としてバランスの良いワインが出来るからです。
ワインアドヴォケイトではクロード・デュガの2020年ヴィンテージをこう評している。
「2020年ヴィンテージはクロード・デュガにおいて大成功を収めたヴィンテージとなった。早期収穫と低収量により、適度なアルコール度数で生き生きとしたフレーバー、素晴らしい力強さ誇るワインとなった。2019年ヴィンテージに比べ、よりタイトで官能的ではないものの、2020年ヴィンテージは非常に高品質で、優雅に熟成するためのバランスとエネルギーを持っている。このドメーヌを訪れるのは、いつも秋の(ブルゴーニュの)テイスティングツアーでのハイライトだが、今年も例外ではなかった。これらのワインはこれ以上ないほど熱烈にお勧めする」(ワインアドヴォケイト2022年1月21日号)
【ジュヴレ・シャンベルタン・ラ・マリー】
2018年が初ヴィンテージとなるジュヴレ・シャンベルタン・ラ・マリー。デュガ家お気に入りの古樹の区画で毎年プライベート用に1樽だけ造られていた。残ったブドウはジュヴレ・シャンベルタンに使われていた。今回初めて市場様用にビン詰めされリリースされた。畑は0.95ha.平均樹齢80年の古樹。新樽率40%で18カ月熟成。生産本数は1500本(5~6樽)。ドメーヌ定番のジュヴレ・シャンベルタンよりも力強く、豊潤な果実味で、官能的なアフターが長く続く。ワンランク上のジュヴレ・シャンベルタン。赤/ACジュヴレ・シャンベルタン
★ワインアドヴォケイト 91~93点
Richer and more layered than the domaine's regular Gevrey-Chambertin bottling, the rare 2020 Gevrey-Chambertin La Marie mingles aromas of cassis and plums with hints of smoke and loamy soil. Medium to full-bodied, deep and velvety, with fine, concentrated powdery tannins and lively acids, Bertrand Dugat observes that the wine's personality reminds him of his father Claude. (Wine Advocate Issue 21st Jan 2022)
★ヴィノス 93点
飲み頃:2024~2042年
The 2020 Gevrey-Chambertin La Marie comes from vines just under Château de Gevrey. Oyster shells mark the nose that (again) is very focused, the intensity dialed up a notch over the regular Gevrey-Chambertin. The palate is taut and saline, very energetic and tensile, almost steely, yet it blossoms on the finish with just the right amount of sapidity. I absolutely love this. (By Neal Martin on March 2022)