【レシュノー】
今やニュイ・サン・ジョルジュを代表する名ドメーヌとなったフィリップ・エ・ヴァンサン・レシュノー。ブルゴーニュの超一流処と互角の力量を持つと評されるほど。このドメーヌが頭角を現してきたのは90年代初頭。父フェルナン・レシュノーが1986年に死去し、フィリップとヴァンサンの兄弟がドメーヌを継ぐこととなる。当時はほとんどをネゴシアンに売っていたが、徐々に自家ビン詰めを増やしていく。兄フィリップがブドウの栽培を担当し、弟ヴァンサンが醸造を受け持つ。試行錯誤を重ねながらもドメーヌとしての評価を高めていった。ドメーヌのフラグシップ、クロ・ド・ラ・ロッシュ2002がワインドヴォケイトで98~100点と高評価され一躍注目を集める。父、フェルナンが二人に残した畑はわずか3haだったが、現在では18種類のキュヴェを生産し(年によって多少変わる)、およそ10haの規模にまで拡大させた。
低収穫で厳しい選果、発酵前の低温浸漬、濃縮度を高めるためにヴィンテージよってはセニエも行なう。2000年より栽培はビオロジックとなった。いくつかビオディナミ的な調合物も使っているが、認証を得るつもりはまったくないという。2007年のヴィンテージから除梗100%をやめ、必要に応じて梗を残すようにしている。新樽の比率はACブルゴーニュ、オート・コート・ド・ニュイで10~20%、村名ワインで50%、プルミエ・クリュ以上は100%が基本だが、ヴィンテージによって新樽率は変化する。ドメーヌではワインと澱はなるべく長く一緒に置くという信条のもと、澱引きはビン詰め前の1回のみで、当然清澄もフィルターもなし。全般に新樽の割合は高いが、過度な樽香は微塵も感じさせないピュアな香り。仕上がったワインは深い色合いで濃密で深遠な果実味を堪能できる逸品。高騰するブルゴーニュにおいては価格も良心的で、ブルゴーニュ指折りのお買い特ドメーヌ。
【ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・プリュリエ】
プリュリエはサン・ジョルジュやヴォークランなど同じ、ニュイの南側の丘に位置するニュイ・サン・ジョルジュを代表する1級畑の一つ。ブラックベリーにグリオットチェリー。よく熟した果実味にキメ細かなタンニンのストラクチャー。力強く男性的な印象のワインであり、アフターにはスモーキーでスパイシーなニュアンスが続く。
ワインスペクテーターでは「カシス、ブラックベリー、スミレ、スパイスの香りと石灰質のフレーバーが濃密なストラクチャーに支えられている緊張感ある直線的なスタイル。濃厚でエネルギッシュ、果実、ミネラル、スパイスの風味が長い余韻を演出している」と評された。
★ワインスペクテーター 95点
飲み頃:2022~2043年
Here's a taut, linear version, whose dense structure supports black currant, blackberry, violet and spice notes and stony, chalky flavors. Intense and energetic, with a long, fruit-, mineral- and spice-tinged aftertaste. Best from 2022 through 2043. (Wine Spectator Issue May 31,2019)