【ヴァンサン・エ・ソフィー・モレ】
シャサーニュ・モンラッシェを代表する名手、ベルナール・モレ。彼は2006年のヴィンテージを最後に引退し、所有畑はふたりの息子、ヴァンサンとトマに分割相続された。その長男ヴァンサンが、サントネ出身の妻ソフィーとともに運営するドメーヌが、ヴァンサン・エ・ソフィー・モレである。
ブドウ畑は双方の実家から継承し、総面積は20haとかなりの規模。全量元詰めせず、一部はネゴシアンに桶売りしている。白はシャサーニュ・モンラッシェ中心、赤はサントネ中心のラインナップ。フラグシップは至宝のグラン・クリュ、バタール・モンラッシェ。その他ピュリニー・モンラッシェ・トリュフィエールなど秀逸なプルミエ・クリュも多数所有している。
中でもドメーヌの看板ワインの一つがシャサーニュのプルミエ・クリュ、レ・ザンブラゼ。もともとモレ家が大地主なうえ、ソフィーの実家であるメナジェ・ベラン家も畑を所有していた。現在この畑の4分の3に相当する3.79haをヴァンサンとソフィーが所有し、耕作している。
醸造法は父ベルナール譲り。圧搾後の果汁をデブルバージュの後、小樽発酵。新樽率は40%前後と比較的高いが、それに対して熟成期間は10カ月と短めで、2週間に一度バトナージュを行う。ヴァンサン・モレの造る白ワインはリッチでパワフルなスタイルが特徴。赤ワインは除梗無しの全房醸造。新樽率40~50%で熟成させる。
【シャサーニュ・モンラッシェ・ヴィエーユ・ヴィーニュ・ルージュ】
シャサーニュ・モンラッシェの標高220メートルにある5つの異なる畑のブドウをブレンドして造られる。畑は粘土石灰岩土壌で平均樹齢50年以上の古樹で、最も古いのは1935年に植樹されたもの。無除梗の全房発酵。新樽率45~50%で14カ月熟成。たっぷりした果実味が前面に押し出され、タンニンも十分に溶け込み柔らかい。ジューシーな赤いベリーの果実、新鮮なブラックベリー、香ばしいスパイスが混ざり合い、シルキーなタンニンと程よい酸がバランスよく骨格を支えている逸品。赤/ACシャサーニュ・モンラッシェ
★ワインスペクテーター 93点
飲み頃:2021~2032年
Defined by pure black cherry and blackberry fruit, this red is opulent and velvety. A solid structure gives it the framework needed to age and it finishes with saturated black fruit, mineral and spice. All that lushness makes it approachable now. Drink now through 2032. (Wine Spectator Issue may 31,2021)