【フィリップ・パカレ】
日本でビオワインの造り手として最も有名で人気のあるフィリップ・パカレ。1991年「プリューレ・ロック」の醸造責任者に就任後、2000年、パカレは自らのドメーヌを設立するために「プリューレ・ロック」を退社。その時、ロマネ・コンティから醸造長のオファーを受けるも、辞退。そして数年後、待望の初ヴィンテージ2001年でセンセーショナルなデビューを飾る。発酵時に酸化硫黄無添加、酵母はすべて天然酵母を使用し、酵母を殺してしまうとされる化学肥料、農薬や除草剤は全く使用しない。出来上がるワインはピュアな果実味溢れる至極の一献となる。
【2021年ヴィンテージに関して】
2021年の収穫量は全体的に異質でとても少なくなりました。霜の影響を最も受けた畑は収穫量が異常なほどに少なく、比較的霜害を免れた区画でも収穫量は多くありませんでした。圧搾したジュースのアロマ成分のポテンシャルは高く、発酵の動きも良好。また糖分と酸のバランスはここ最近では珍しいまさにブルゴーニュといった感じです。2021年はブルゴーニュワイン愛好家からは高く評価されるヴィンテージになるでしょう。ブルゴーニュにとって久し振りの古典的なヴィンテージになりました。前年に比べ、より涼しい気象条件でブドウはゆっくり熟成していったのが影響したのだと思います。簡潔に特徴を言えば2016年と2017年ヴィンテージの中間と言えるかもしれません。
【ブルゴーニュ・アリゴテ】
ピュリニー・モンラッシェにある区画で石灰岩が多いので昔からアリゴテが植えられていた区画。平均樹齢55年の古樹なので収量は少なく、石灰岩盤の畑らしいミネラル感、火打石の香をしっかりと感じる。古樽で発酵後、19カ月そのまま熟成。バトナージュは極力しない。チャーミングな果実味でミネラルと酸のバランスが素晴らしい1本。