【アンリ・グロ】
ジュヴレ・シャンベルタンの西、シャブッフ村に居を構えるミクロ・ドメーヌ、アンリ・グロ。当主のアンリはCFPPAという醸造学校の講師でもあり、一人でドメーヌを切り盛りしている。ドメーヌの設立は1981年。わずか1haの畑からスタートした。現在は契約栽培なども行い3haの畑を所有している。ドメーヌ設立当初からリュット・レゾネ(減農薬農法)を実践し、1999年からはビオロジックに移行し2005年には認定を受けている。
造られているのはコトー・ブルギィニョン、オート・コート・ド・ニュイ、シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネのわずか4つ。畑のほとんどはオート・コート・ド・ニュイ。シャンボール・ミュジニーとヴォーヌ・ロマネは2~4樽とごく少量。出来上がるワインは、派手さはないが純朴でピュアな果実味を楽しめる誠実な一献。そして高騰する現在のブルゴーニュにおいてはコストパフォーマンスに長けたお値打ち品。
【ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ・ルージュ】
このドメーヌの屋台骨と言えるキュヴェ。ドメーヌの総生産量の6割以上を占める。樽熟12カ月。赤/ACブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ
【2016年ヴィンテージの試飲】
色調はやや濃いめで、プルーン、カシス、ブラックベリーなど黒い果実の熟した果実香に、ハーブの香りを感じる。甘味を感じる果実味が口中に広がり、後から酸が追いかけてくるチャーミングなワイン。そしてこのクラスとしてはアフターが長い。時間の経過とともにワインはバランスよく広がりをみせる。優良年の2016の恩恵もあると思うが秀逸な仕上がり。特筆すべきは価格。高騰するブルゴーニュでオート・コート・ド・ニュイでこの品質でこの価格はお買い得だろう。(2020年5月下旬試飲)