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マルサネ・ルージュ・レ・ロンジュロワ2019(ラ・メゾン・ロマネ)

【ラ・メゾン・ロマネ】
当主のオロンス・デ・ベレールは仏のワイン専門誌「レヴュー・ド・ヴァン・フランス」の記者としてフランス各地のワインを試飲し、評価してきた人物。記者として活躍するが、ワイン造りの夢を諦めきれず、ボーヌの醸造学校に入学。卒業後、記者時代に友人になったドメーヌ・ゴビー、コント・アルマンで働き、現場での醸造を学んだ。その後2頭の馬を購入し、畑の耕作をする会社を立ち上げた。顧客にはコント・ラフォン、クロ・デ・ランブレイ、ティボー・リジェ・ベレールなどブルゴーニュを代表するトップ生産者が名を連ねた。最盛期には20以上の生産者の畑を耕作していた。これらの畑を馬で耕作することによって畑のことを学んだ。
 
ある時、コント・アルマンはじめ、耕作を請け負っていたいくつかのドメーヌがブドウを販売してくれる約束をしてくれた。また親友であるドメーヌ・デュジャックのジェレミー・セイスもブドウを供給してくれたという。それを機に2004年、13世紀から残るヴォーヌ・ロマネで最も古い建物、メゾン・ロマネを購入。馬での耕作を請け負う会社を売却し、念願のワイン造りをスタートさせた(現在醸造所はニュイ・サン・ジョルジュに移転)。初ヴィンテージは2005年で徐々に生産量を増やしていった。ブドウは基本的にビオディナミのもの。以前馬で耕作していた畑のものが多いので、ブドウを理解している強みもある。一部は特別な契約で毎年同じ区画のブドウを購入できている。毎年同じ区画のブドウを入手するのは非常に重要。ブドウの個性や野性酵母の癖を把握し、醸造できるからだ。ブドウの供給元は詳しくは明かせないが、驚くべき超優良ドメーヌの名前が並ぶという。
 
醸造は全房100%で自然酵母のみで古バリックで発酵、熟成。清澄、フィルターは一切なしで酸化防止剤はボトリング時に必要最小限添加。通常買いブドウでは全房100%非常に難しいと言われているが、同じフィロソフィーを持った造り手のブドウを厳選しているのでこれが可能なのである。ブドウの持つエネルギーを最大限に引き出すためには全房であること、そして醸造中に酸化防止剤を使用しないことがオロンスの最大のこだわりだという。その丁寧なワイン造りには定評があり、オロンス・デ・ベレールは、自らのワインをこう公言している。「私は世界一のワインを造ろうとは思っていない。私の興味は、私のワインが感動を呼び起こすこと」
そんな彼を大親友であるシャントレーヴの栗山朋子氏は「芸術家のような醸造家」と表現する。太陽の様な華やかさを持ち、ピュアでフレッシュな果実味に魅了されるオロンスのワイン。

2018は濃密でありながらブルゴーニュらしいバランス感を持った秀逸な仕上がりだった。2019年はさらにブルゴーニュらしくピュアな果実味と隠し味的な酸が口中に染みこんでいく傑出した仕上がりだ。一流ドメーヌのブドウを使っていることを考えれば当然の結果だろう。
 
【マルサネ・ルージュ・レ・ロンジュロワ】
マルサネを代表する畑で1級畑昇格の筆頭区画。ブリュノ・クレール、ドニ・モルテ、ジャン・フルニエ、シャルル・オードワンなどの優良生産者が所有している。
南東向きで、やや冷涼なので、毎年、華やかで若い内から開いているのがロンジュロワの特徴。アルコール度数が理想的な12.5%で、フェミニンで優雅な味わい。平均樹齢45年の古樹。収穫後、全房100%のまま、足で踏んで発酵。発酵途中で古バリックに移し変え、そのまま3カ月発酵。澱引き後12カ月熟成。ノンフィルターでビン詰め。柔らかくジューシーでシルクのようなタッチの果実味が印象的。
赤/ACマルサネ

【試飲】
簡潔に言うとこの造り手のコート・ド・ニュイ・ヴィラージュ2019に非常に似ている。冷涼感ある赤い果実と黒い果実の香りにハーブの香りも。ミディアムボディで旨味のある果実味が口中に広がり、優美な酸が絶妙のバランスを奏でている。香り、果実味、バランスなど酷似しているが、このマルサネの方がややエレガントな味わいだ。マルサネの優良畑から造られた密度の濃い秀逸な1本。今飲んでも十分楽しめるが、1~2年寝かせたらさらに奥行きが出るだろう。(2023年10月上旬試飲)

 

  • マルサネ・ルージュ・レ・ロンジュロワ2019(ラ・メゾン・ロマネ)

  • 販売価格

    6,160円(税込)

  • 希望小売価格

    8,800円(税込)

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