【ジャン・フルニエ】
ジャン・フルニエはマルサネの中でも最も古いドメーヌの一つ。その歴史はルイ13世の17世紀まで遡ることが出来る。現在ドメーヌは、マルサネの若きスター、ローラン・フルニエが当主を務める。2003年、先代が引退し、ローランが当主になるとドメーヌの改革が始まった。2004年から畑をビオロジックに転換(2008年に全ての区画で認証を取得)。栽培方法も従来の「グイヨ」からストレスの少ない「コルドン・ロワイヤル」に変更。彼の目指す栽培は自然に凝縮されたブドウ。所有する畑はクロ・デュ・ロワやロンジュロワなどマルサネを代表する優良畑。さらに畑の大半が樹齢40年以上の古樹と、最高の条件が揃っている。
「僕のワイン造りは現代的でも伝統的でもない。父は伝統を重視していた。僕は伝統をベースに進化していきたい」とローランは語る。
そして「やっとマルサネに注目が集まってきた。シルヴァン・パタイエや僕らがマルサネを変えたのさ」と自負するほど。
醸造も個性的だ。畑と醸造所で2回厳しい選果を行う。畑の特徴に合わせて全房と除梗の比率を調整する。全房で果梗を使うとバクテリアが繁殖しやすくなるため、亜硫酸使用が普通。だがビオロジックを導入したことで酵母が強く、亜硫酸無添加で全房発酵が可能だという。発酵は主に木樽を使用。使用するのは228Lの伝統的なブルゴーニュ樽ではなく、大きめのドゥミ・ミュイ(600L)とシガール(350L)。600Lと350Lの樽はワインが樽と触れ合う面積が最適だそうだ。出来上がるワインは力強く長熟でありながらエレガント。マルサネとは思えないほどのポテンシャルを秘めた一献となる。
近年の評価はうなぎ上りで、各専門誌でも高評価。ベタンヌ&ドゥソーヴは「ブルゴーニュ新世代の中で最も輝きを放つ生産者の一人」と評された。
【マルサネ・ロゼ】
ブルゴーニュで唯一、村名表記が許可されているマルサネのロゼ。ブルゴーニュのロゼの中では品質、価格ともワンランク上のワイン。Lavaux、Longeroies、Les Platieresを主体とした複数の区画のブドウを使用。このロゼはセニエではなく、ピノ・ノワールは除梗してから圧搾し、僅かに色合いの付いた果汁を得た後に、シャルドネとアッサンブラージュして造られる。ピノ・ノワール90%、シャルドネ10%。その後ステンレスタンク(50%)、500L、600Lの木樽にて発酵後、10カ月の熟成。セニエではなくアサンブラージュにこだわったのは「安易で廉価なロゼではなく、マリアージュを考えた旨いロゼを造りたかったから」と言うローラン。フレッシュな果実味溢れる美食家のためのロゼ。