【フレデリック・エスモナン】
ジュヴレ・シャンベルタンを拠点にするドメーヌ、フレデリック・エスモナン。現在所有する畑の面積は約5.26ha。マジ・シャンベルタン、リュショット・シャンベルタンの2つのグラン・クリュを所有し、過去にはメタヤージュでシャンベルタン、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ、グリオット・シャンベルタン、シャルム・シャンベルタン、ラトリシエール・シャンベルタンも造っていたほど。またラヴォー・サン・ジャック、エストゥルネル・サン・ジャック、シャンポネなど3つのプルミエ・クリュも所有し、ジュヴレの村名ワインは4種類リリースしている。まさにジュヴレ・シャンベルタンに特化したドメーヌ。(2020年ヴィンテージからペルナン・ヴェルジュレス、ニュイ・サン・ジョルジュをリリースしている)
元々は栽培農家だったエスモナン家。80年代半ばまでワインのほとんどを、ルロワやルイ・ジャド、ジョゼフ・ドルーアンなどのネゴシアンに桶売りしていた。1988年、現当主のフレデリックがドメーヌを引き継いでから、本格的に自家ビン詰めをスタートした。
造りは100%除梗。低温マセレーションを4日ほど行い、最高32度の温度で2週間の発酵。樽熟成期間は14ヶ月だが、新樽率はプルミエ・クリュ以上で80~100%、ジュヴレ・シャンベルタンVVが40%。その他村名は10~15%。澱引きは1回行い、清澄はせず軽くフィルターをかけてビン詰めし、力強く深みのある逸品に仕上がる。このドメーヌを語る時、特筆すべきは良心的な価格設定だ。かつては名ネゴシアンに売っていたほど出自の良さは折り紙つきなのに、こんなに安くていいの?とこちらが心配したくなるほど。高騰するブルゴーニュにおいて稀有な存在。ジュヴレを代表する良心的ドメーヌ。
現在、足に障害のあるフレデリックに代わり、オスピス・ド・ボーヌで栽培や醸造に従事していた父のアンドレがワイン造りを指揮している。ちなみにアンドレの兄はミシェルで、フレデリック・エスモナンとシルヴィー・エスモナンは従兄妹ドメーヌである。
【ブルゴーニュ・ルージュ・レ・ジュヌヴリエール】
詳しい資料がないのでわからないが、キュヴェ名が付けられているので単一畑によるブルゴーニュ・ルージュだと思われる。高騰するブルゴーニュにおいてコストパフォーマンスに長けたお値打ちの1本。赤/ACブルゴーニュ