【ドメーヌ・バロー】
バロー家はマコネ地区のヴェルジッソン村に1890年から続く老舗ドメーヌ。祖父のジョゼフは1939年にはすでにワインの一部を元詰めしていたという。4代目のダニエルは、一族のブドウ畑を1995年に相続するよりもひと足早く、1982年に妻のマルチヌとともに自身のドメーヌを立ち上げた。90年代入るとダニエル・バローはジャン・マリー・ギュファンと比肩するマコネの名手として名を馳せた。
2006年には5代目となる息子ジュリアンがドメーヌ入り。それに伴い畑の名義をジュリアンに変えたため、ダニエル・エ・マルチヌ・バローとダニエル・エ・ジュリアン・バローの2つのラベルが混在したが、2017年ヴィンテージからドメーヌ・バローに統一された。玉石混交のマコネにおいてテロワールを見事に表現する偉大な造り手である。
現在、プイィ・フュイッセ、サン・ヴェラン、マコン・ヴェルジッソン、マコン・シャントレなど4つのアペラシオンに合計8.5haのブドウ畑を所有。テロワールを尊重するポリシーで、プイィ・フュイッセはブレンドものの「アリアンス」の他、単一畑のキュヴェを6種類造っている。
ブドウ栽培は1995年頃からビオロジックを導入し、2005年には全所有畑をビオロジックに転換した。マコネ地区ではコストのかからない機械収穫をする農家が大半だが、このドメーヌは完全に手摘み。醸造所は重力を利用した構造でブドウの受け入れから圧搾、樽詰め、瓶詰めまでポンプに頼る必要がない。自然酵母で発酵。発酵タンクはアペラシオンにより異なり、ステンレスタンク、大樽、中樽、小樽と使い分ける。マロラクティック発酵を経て、細かな澱とともに10~15カ月の熟成。白ワインの造り手としては珍しく、無濾過で瓶詰めする。出来上がるワインは香り、果実味などテロワールを鮮やかに表現した美酒となる。
【プイィ・フュイッセ・アン・ビュラン・ヴィエイユ・ヴィーニュ】
ドメーヌのフラグシップ。ロシュ・ド・ソルトレの山腹に位置するアン・ビュランの単一畑から造られる。この畑は2020年にプルミエ・クリュに昇格されると思われたがブドウ樹の向きの関係で見送られた。ブドウは1934年に植樹された古樹でドメーヌの中で最も古い。1ヘクタールあたり1万本以上植えられている。畑はソルトレの岩山と同じ斜面にあり、北東向き。そのおかげで美しい酸とミネラルが保たれた力強いワインとなる。果実味は複雑で繊細なニュアンスも併せ持つ稀有な一献。ドメーヌの中で最も長熟で最も濃密なワイン。新樽率35%で12カ月熟成、澱引き後ステンレスタンクで3カ月熟成。
ヴィノス評を抜粋すると以下の通り。
「華やかな香りがあり、おそらくバローのキュヴェの中で最も溌剌としている。ブラッドオレンジにフェンネルや桃の皮の香りが混じり合い、根底にはミネラルがある。味わいは絶妙で、バランスよく非常に落ち着きがあり、わずかに蜂蜜のようなテクスチャーでありながら、バローのワインの中で最も緊張感あるワインだ。精密で長いアフターを奏でる超お勧めの品」
★ヴィノス 93~95点
飲み頃:2025~2045年
The 2022 Pouilly-Fuissé En Buland, denied Premier Cru status due to the orientation of the vines, is populated by the oldest vines in the Domaine, planted in 1934 at over 10,000 vines per hectare. It has a gorgeous nose, perhaps the most effervescent amongst Barraud's cuvées, blood oranges mixed with fennel and peach skin with an underlying mineralité. The palate has exquisite balance, very poised, slightly honeyed in texture yet with the most tension of nervosité amongst Barraud's wine. With enormous length and precision, this comes highly recommended.(By Neal Martin on June 2023)



