【ユドロ・バイエ】
今や日本のブルゴーニュファンの間では指折りの人気ドメーヌの一つとなったユドロ・バイエ。1998年に現当主ドミニク・ルグエンがドメーヌを継いでから急成長した。1998年まではヴァンサン・ジラルダン、ニコラ・ポテルなどの有名ネゴシアンに売却していたが、1999年から本格的に自家ビン詰めを開始。2010年以降からワインアドヴォケイトなどのワイン専門誌で高評価され、世界中のブルゴーニュラヴァーから注目される存在に。今やヴォギュエ、ルーミエに次ぐ、人気、実力を備えたシャンボールを代表する造り手と言っても過言ではない。2018年にはセラーを新築し、それを機に息子タンギーが本格的にドメーヌに加わった。
「ドミニク・ルグエンが指揮を執るこの8.4ヘクタールのドメーヌは、シャンボール・ミュジニーの中で最も注目度が高まっている。ワインのスタイルは、グルマン的で、肩幅が広く、肉付きの良いもの。本来はエレガントでしなやかな2017年ヴィンテージでも非常にうまく機能し、美しく、新鮮さとフィネスを保っている。シャンボール・ミュジニーでその品質のレベルは言うに及ばず、ラインナップも羨むほど素晴らしい。読者はこのドメーヌを注目する必要がある」(ワインアドヴォケイト2019年2月1日号)
「2015年からユドロ・バイエはヴィノスで取り上げるようになった。数年前にロンドンの友人から紹介され、彼のシャンボール・ミュジニーのワインを飲んで惚れこみ、数ヶ月後にドメーヌを訪問した。それ以来毎年訪問している。ユドロ・バイエのスタイルは、他のシャンボールの生産者より少し濃く、果実味を重視する傾向があるが、スタイルとしてはかなり洗練されている。新鮮さ、活力、テロワールの表現に満ちあふれている」(ヴィノス2019年1月号)
「ドメーヌ・ユドロ・バイエは小規模ながら非常に素晴らしいシャンボールの生産者で、近年のヴィンテージは私に感銘を与えてくれた」(ヴィノス2023年1月号)
畑は実質ビオロジックの極めて厳格なリュット・レゾネ栽培。化学肥料、除草剤、殺虫剤、防腐剤は一切使用しない。除梗100%で天然酵母のみで発酵。赤は12~16カ月間、白は10~12カ月間樽熟成。澱引きはビン詰め前に1回のみ。赤は清澄後、ノンフィルターでビン詰め。出来上がるワインは密度の高い果実味でありながら、非常にエレガントで洗練されている美酒。そんなユドロ・バイエのワインはイギリス、ドイツ、ベルギー、オランダ、イタリア、スウェーデン、ノルウェー、ロシア、アメリカ、カナダ、日本、香港、台湾、韓国、シンガポール、タイ、オーストラリアなどに輸出され、世界各国のブルゴーニュラヴァーに愛されている。その輸出量は全生産量の85%になるという。またフランスの3つ星レストラン、ジョルジュ・ブラン、ラムロワーズなどを筆頭に数多の高級レストランにオンリストされている。
*2020年ヴィンテージからラベルデザインがリニューアルされた。
【ブルゴーニュ・ルージュ】
シャンボール村内のACブルゴーニュ区画(レ・リュ、レ・マラディエール・バッス)70%、隣のジイィ・レ・シトー村内のACブルゴーニュ区画(レ・シャリップ、レ・クロ・プリウール)30%で造られた。平均樹齢約50年の古樹。新樽率15%、3回使用樽85%で12カ月間熟成。 コストパフォーマンスが高く、今飲んでも十分楽しめる。ユドロ・バイエの入門編としても最適の1本。
ヴィノス評を要約すると以下の通り。
「2022年のブルゴーニュ・ルージュはラズベリーとイバラの香りを伴う、軽くて少し土っぽいブーケがあり、よくまとまっていて焦点が合っている。味わいはミディアムボディで、繊細なタンニンがある。ジューシーでありながら、ストラクチャーがあり、フィニッシュには称賛に値する。私が試飲したブルゴーニュ・ルージュの中で最高の1本である」
★Vinous 89点
飲み頃:2024~2030年
The 2022 Bourgogne Rouge has a light, slightly earthy bouquet with raspberry and briar scents, well-knit and focused. The palate is medium-bodied with fine tannins. It's juicy, yet there is structure and commendable precision on the finish. One of the best Bourgogne Rouge that I tasted.(By Neal Martin on November 2023)