【モド・ギヨン】
かつてのシャンボール・ミュジニーの名門、ドメーヌ・モド。2004年ドメーヌは名手、ミシェル・モドから娘婿のローランへと世代交代をしようとしていた矢先、不慮の事故でローランは死去。失意の中ミシェル・モドはドメーヌのラストヴィンテージとなった2004年をリリースし引退。娘のクリステルは当時2歳の息子アドリアンを抱えていたので、やむなく畑をフェルマージュ(賃貸契約)に出し、ドメーヌは閉鎖となった。しかしドメーヌ・ド・ラ・ヴージュレー等で修行し、気鋭の醸造家に成長した孫のアドリアンが帰還。時を同じくして畑も続々と返還され、2022年新生ドメーヌ、モド・ギヨンが誕生。2024年、初ヴィンテージとなる2022年をリリースした。名門の復活である。
「モド家は1820年からブドウ栽培を営んでおり、私(アドリアン)は6代目になります。ドメーヌの礎を築いてくれた祖父(ミシェル・モド)の代まで、200年近くにわたって畑を完璧に手入れし続けており、またフェルマージュ先もそれを継続してくれたため、樹齢60~80年の古樹が理想的な姿で現存しています。ブドウは茎まで完熟しますので、全房発酵のメリットを完全に享受することができます。また、シャンボール・ミュジニーの命である極めて豊富なミネラルを、ブドウにたっぷりと取り込むことができます。ブルゴーニュトップレベルの栽培・醸造を実践している修行先で、本物のブルゴーニュワインとは何かということについて十分に考える機会を得ました。私は、本物のシャンボール・ミュジニーを造っていきます」と語るアドリアン。
新規設備投資による資金繰りのため、ひとまずはネゴシアンにブドウを販売しているシャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ レ・シャルムをはじめとする他のアペラシオンも、早晩ラインナップに加わる予定だという。実際ミシェル・モド(祖父)の時代にはレ・シャルムを筆頭にレ・ラヴロット、レ・フュレ、レ・コンボット、レ・グロゼイユ、レ・シャトロ、レ・フスロットといった珠玉のプルミエ・クリュ造っていた。かつてワイン評論家のマット・クレイマーは「Making Sense of Burgundy」(1990年発行/日本版は2000年発行)でミシェル・モドのワインをこう称賛している。「シャンボール・ミュジニーで試飲したのは1986年の村名ワインだけだったが、これは私が覚えている限り最高の、けたはずれのシャンボール・ミュジニーだと思われた。同じく傑作だったのはブルゴーニュ・ルージュで実は使われていたブドウはフィサンという目の覚めるようなワインであった。注目したい生産者だ」
スタイリッシュなラベルでファーストヴィンテージの2022年が入荷。ブルゴーニュファンは注目である。
【コトー・ブルギニヨン・オー・バタイユ・ルージュ】
コトー・ブルギニヨンは2011年に制定された新しいAOCで、パストゥグランのようなピノとガメイの混醸タイプが多いがこのキュヴェはピノ・ノワール100%。シャンボール・ミュジニー村の東に隣接するジイィ・レ・シトー村の単一畑、オー・バタイユのブドウで造られた。所有面積は0.2ha。樹齢約80年の超古樹。収量は50hl/ha。除梗しない全房発酵。エナメル製タンクでアルコール発酵後、350リットルの樽でマロラクティック発酵&14カ月間熟成。新樽率は40%。無清澄・ノンフィルターでビン詰め。赤/ACコトー・ブルギニヨン
*モド・ギヨンは液面が高く、高温、激しい温度変化で液漏れを起こす可能性がありますのでご注意ください。