【グロF&S】
日本のブルゴーニュファンにはもはや説明不要の人気ドメーヌ、グロ・フレール・エ・スール。ヴォーヌ・ロマネ村を代表する造り手、グロ家。名手ジャン・グロの次男、ベルナール・グロが子供のいなかった叔父夫婦の養子となり、ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スールを1980年より引き継いだ。安定した品質でグロファミリーの中でも繊細でありながら一番しっかりとした味わいのワインを造ることで定評があります。兄のミシェル・グロより力強い味わいに仕上がっている。
2016年ヴィンテージよりベルナール・グロは一線を退き、息子のヴァンサン・グロが醸造を担当。ベルナールは必要最小限のSO2を使用し、除梗を行っていたが、2016年からヴァンサンはSO2無添加、一部の全房発酵を行っている。SO2無添加や全房発酵の比率などはヴィンテージによって異なる。ヴァンサンはテロワールを最大限に表現するために臨機応変に対処するという。
2016年、2017年はサン・スフル(SO2無添加)で醸造したそうだ。そういえば2017年のブルゴーニュ・ルージュを久し振りに飲んでベルナール(父親)時代とは違う味わいで驚いたのを覚えている。瑞々しいピュアな果実味で今までのドメーヌの味わいとは一線を画した。味わいが深化したのを感じた。だがサン・スフルだと扱いにくいと(日本以外の)インポーターからクレームが入り2018年から必要最小限のSO2添加を再開したという。
【リシュブール】
このドメーヌを代表するグラン・クリュ。リシュブールの名前はリシュ(Riche=豊か)ブール(bourg=大きい村)とまさにワインの特徴を見事の表しているともいえる。ロマネ・コンティ、ラ・ターシュに追随する濃厚で豊潤なグラン・クリュとして定評がある。
当然のことながらアンヌ・グロ、AFグロのリシュブールの畑とは地続きで隣接している。所有する区画はレ・ヴェロワイユで1級畑のオー・ブリュレとクロ・パラントゥに挟まれている。濃密であるがエレガントな一面も併せ持つ。このワインの本当の姿を見るには数年の熟成が必要。熟成を重ねるごとに偉大なるポテンシャルはどんどん開花していくであろう。ブルゴーニュファンなら抑えておきたい垂涎の1本。赤/特級畑
*2022年からリシュブールの畑の一部はミシェル・グロに返還されたため生産量は少なくなった。これによりグロ家の4ドメーヌ(ミシェル・グロ、グロ・フレール・エ・スール、アンヌ・グロ、アンヌ・フランソワーズ・グロ)がリシュブールの畑を均等に持つことになる。