【ニコラ・ポテル】
今やブルゴーニュを代表する造り手の一人、ニコラ・ポテル。父親はヴォルネーの名門プス・ドールの醸造長だった名匠、ジェラール・ポテル。ニコラはボーヌの醸造学校を卒業後、ブルゴーニュのコント・ラフォン、ジョルジュ・ルーミエ、さらにオーストラリアのルーウィン・エステート、カリフォルニアのベリンジャーなどで研鑽を積み、1992年父ジェラールが醸造長を務めるプス・ドールに戻ってくる。しかし、1998年ジェラールの死去と同時にプス・ドールを去り、自らのワイン業(メゾン・ニコラ・ポテル)に専念する。
メゾン・ニコラ・ポテルは1996年に設立され、ドメーヌに近い「新しいタイプのネゴシアン」として一躍脚光を浴びる。しかし、2008年に当時の親会社であった大手コタン・フレール社と決別。その後、ボーヌ市内に入手した16世紀建立の古いセラーを改築し、そこを拠点に自社畑のぶどうを用いた【ドメーヌ・ド・ベレーヌ】とネゴシアン【メゾン・ロッシュ・ド・ベレーヌ】を立ち上げ再スタートを切った。
【メゾン・ロッシュ・ド・ベレーヌ】
ニコラ・ポテルが2008年に新規スタートさせたネゴシアン部門。ロッシュ・ド・ベレーヌでは、メゾン・ニコラ・ポテル時代からブドウの供給を受けていた栽培農家やドメーヌとの関係をそのまま引き継いでいる。なかには誰もが知る有名ドメーヌも含まれているというが、仕入れ先は公表されていない。メゾン・ニコラ・ポテル時代にはヴォーヌ・ロマネ・レ・ゴーディショをリリースしていたが、このブドウはDRCからの供給だと噂されていた。実際DRCはゴーディショの畑を所有していたがドメーヌからリリースされることはなく、どこかに売却していたいたという。二コラのブルゴーニュでの人脈は驚くほど広く太く、珠玉のグラン・クリュやプルミエ・クリュを多数リリースしている。(シャンベルタン、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ、グリオット・シャンベルタン、ボンヌ・マール、クロ・サン・ドニ、シャンボール・ミュジニー・レザムルーズ、ヴォーヌ・ロマネ・オー・マルコンソール、グラン・エシェゾー、リシュブール、ロマネ・サン・ヴィヴァン、モンラッシェ、バタール・モンラッシェ、シュヴァリェ・モンラッシェ、ビアンヴィニュ・バタール・モンラッシェ、コルトン・シャルルマーニュ他etc・・・・・・・)
ニコラ・ポテルは古樹の畑を重視し、栽培農家には細かく助言して、畑の管理を徹底させている。出来上がるワインはテロワールを反映させたピュアな一献。ブルゴーニュでは珍しく、バックラベルには畑の土壌、収穫量、収穫日、新樽率、ビン詰め日、シリアルナンバーなどが記載されている。
【2010年ブルゴーニュのコート・ド・ニュイの赤ワインに関して】
歴史的当たり年となった2010年のコート・ド・ニュイの赤ワイン。ヴィンテージチャートではワインアドヴォケイト96点、ヴィノスは98点という高評価。ヴィノスのヴィンテージチャートでは2010年をこう称賛している。
「1988年に初めてこの地域を訪れて以来、私が味わったブルゴーニュの赤ワインの中で、最も素晴らしいヴィンテージです。春の霜と開花の難しさで収穫量は少なかったものの、風通しのよい房は変わりやすい夏を良好な状態で乗り越え、収穫は涼しい時期に行われた。このヴィンテージには、ブルゴーニュワインの素晴らしい要素がほぼすべて揃っています。テロワールに忠実な生き生きとした香りと風味、口中に広がる緊張感、重さのない強さ、はっきりとしたミネラル感、熟したきめの細かいタンニン、そして瓶内での長期熟成を支える凝縮感、バランス、骨格。2010年のコート・ド・ニュイは最高で奥深いワインと言えるでしょう」
ちなみにヴィノスのコート・ド・ニュイの赤ワインのヴィンテージチャートは1985年から2021年まで(2024年10月現在)発表されているが、2010年が最高得点である。
【ヴォーヌ・ロマネ・オー・マルコンソール】
クロ・パラントゥーと比肩するヴォーヌ・ロマネ最上級のプルミエ・クリュ。北側はラ・ターシュと隣接し南側はニュイ・サン・ジョルジュ・オー・ブドに隣接している。地質的にも味わいもラ・ターシュに似ていることから「プティ・ラ・ターシュ」と称される。ブルゴーニュファン垂涎の1本。ちなみにマルコンソールの所有者は6人のみ。
提供された畑の面積は0.73ha。1984年に植樹された。収量は31hl/ha。収穫は2010年9月28日に行われた。2010年は全房発酵され、新樽率50%で熟成。清澄、濾過をせずに2012年3月30日にビン詰めされた。
★ヴィノス 93点
Good full red. Lovely spicy, floral perfume. Broad, sweet and quite concentrated but also juicy and penetrating, showing a tight core of berry, spice and floral flavors. Finishes with excellent cut, aromatic persistence and finesse.(By Stephen Tanzer on March 2013)
★ワインスペクテーター 93点
飲み頃:2015~2035年
Silky texture envelops the black cherry, floral and licorice flavors in this lush red. The base of dusty tannins is covered by flesh. Very harmonious, revealing plenty of power in reserve. Best from 2015 through 2035.(Wine Spectator Issue: Apr 30, 2013 )