【ベルトー・ジェルベ】
近年人気、評価とも急上昇の注目のドメーヌ、ベルトー・ジェルベ。ベルトー家は19世紀末から続くフィサンを代表するドメーヌの一つ。ドメーヌは1974年にギィー・ベルトーから息子のヴァンサン＆ドニ兄弟に継承された。2013年、ドニの娘、アメリー・ベルトーが新当主となってから人気、評価とも急上昇していった。
　
　アメリー・ベルトーの母親はヴォーヌ・ロマネのドメーヌ・フランソワ・ジェルベの当主、マリー・アンドレ。フランソワ・ジェルベは2014年ヴィンテージを最後に1947年から続いたドメーヌの歴史に幕を下ろした。アメリーはジェルベ家が所有していたヴォーヌ・ロマネ、ヴォーヌ・ロマネ・プティ・モン、エシェゾーなどの珠玉の畑を相続し、ドメーヌ・ベルトー・ジェルベがスタートした。
 
　アメリーはボルドーで醸造学を学び、その後、米国やニュージーランドのワイナリーで研鑽を積んだ。実家に戻った彼女は伝統的な醸造法を尊重しつつも、自らが信じるワイン造りを実践していった。現在のラインナップはブルゴーニュ・ルージュから始まり、フィサンの赤、白。フィサンの単独畑、レ・クレ、レ・クロ、看板ワインの1級畑、レ・ザルヴレ他フィサンだけで6つのキュヴェを造っている。さらにメタヤージュによるジュヴレ・シャンベルタンの1級畑、カズティエやラヴォー・サン・ジャック他。相続したヴォーヌ・ロマネ、ヴォーヌ・ロマネ・プティ・モン、エシェゾーなど全16種類以上になる。＊2017年7月より夫のニコラ・フォール（元DRC、プリューレ・ロック）が栽培長に就任した。
 
ワインアドヴォケイトで2023年のベルトー・ジェルベをこう称賛している。
「これは、アメリー・ベルトーによる力強いワインのコレクションです。彼女は10年近くにわたり、フィサンを代表するこのワイナリーを率い、父方のドメーヌ・ドニ・ベルトーと母方のドメーヌ・フランソワ・ジェルベの畑を統合してきた。現在、畑は約16ヘクタールに及び、アメリーの夫であるニコラ・フォールが畑を監督している。ドメーヌでは全房醸造の割合を増やし、抽出とタンニンを従来よりも控えめにすることで、滑らかさと香りを強調しています。これが2023年ヴィンテージのスタイルに反映され、リリース直後から美味しく飲める、しなやかで魅力的なワインを生み出しました」（ワインアドヴォケイト　2025年1月31日号）
ヴィノスでも2023年をこう称賛している。
「アメリー・ベルトーとニコラ・フォールによる、またしても素晴らしいワインの数々だった」（ヴィノス　2024年10月号）
　
【フィサン・アン・コンブ・ロワ】
アン・コンブ・ロワはフィサンの1級畑ザルヴレとエルヴレの真下にある小さな畑。ブドウは1961年に植樹された古樹を使用。全房率は20～40％醸造。新樽率30％で15カ月熟成。2022年に続き傑出した仕上がりとなった2023年。赤と黒の果実が混ざり合い力強い香りを放ちます。甘く熟した果実味が口中に広がる逸品。赤／ACフィサン
 
★ワインアドヴォケイト　89～91点
Derived from a small enclave planted with old vines just below Les Arvelets and Les Hervelets, the 2023 Fixin En Combe Roy offers up aromas of red berries, orange zest, spices and peonies. Medium to full-bodied, lively and nicely structured, it's deeper and purer than the generic Fixin.(Wine Advocate Published: Jan 31, 2025)
 
★ヴィノス　90～92点
飲み頃：2026～2036年
The 2023 Fixin En Combe Roy is a super follow-up to the impressive 2022 with such delineation and focus on the nose. This has a surfeit of mineralité and tension, with a mixture of red and black fruit and a touch of blackcurrant pastilles. The palate is sweet an ripe on the entry, like the Village-a Fixin with plenty of sucrosity. Hints of blood orange ar tangerine lend a soupçon of exoticism on the finish. Excellent.(By Neal Martin on October 2024)