【ドメーヌ・クロ・ド・ラ・シャペル】
今から約150年前、当時30年以上に渡りヴォルネーの市長を務めたヴィクター・ボワイヨによって設立されたドメーヌ・ルイ・ボワイヨ。2011年、ルイ・ボワイヨが所有する畑が売りに出された。その畑に目をつけたのがブルゴーニュ最古のネゴシンアン、メゾン・シャンピーの社長ピエール・ムルジェ。1720年に設立されたシャンピーは小規模ながら品質にこだわるネゴシアンとして定評がある。売りに出された畑は非常に魅力的なものだった。そこで良き顧客であり、ブルゴーニュワイン・マニアの米国人投資家、マーク・オコネルに話を持ちかけ、オコネル100%の出資で3つの畑を購入した。その一つが日本では入手困難なモノポールのヴォルネー・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャペルだった。ちなみに他の2つ畑もヴォルネー・カレル・スー・ラ・シャペル(平均樹齢45年以上)とポマール・レ・シャンラン(平均樹齢80年以上)と稀少性の高いプルミエ・クリュであった。
ドメーヌ名はフラグシップである畑名に。現在ドメーヌの栽培、醸造はすべてメゾン・シャンピーが管理し、畑はすべてビオロジックもしくはビオディナミに変換中である。
【ヴォルネー・クロ・ド・ラ・シャペル】
クロ・ド・ラ・シャペルは僅か0.56haのモノポールの畑。ヴォルネー村のほぼ中央に位置し、畑名の由来となったシャペル(ノートルダム教会)が畑の真向いに建っている。クロ・ド・ラ・ブス・ドール(モノポール)と地続きで隣接しており、かつては一部がクロ・ド・ラ・ブス・ドールに組み込まれていたという。ブドウの平均樹齢は50年の古樹。土壌は石灰岩とマール。隣接するクロ・ド・ラ・ブス・ドールはより赤身がかった土で標高も低く、テロワールは異なるという。クロ・ド・ラ・シャペルは畑の面積が小さく、石塀に囲まれているため、冷たい風から守られ、太陽の熱の影響が強く、早熟でやや酸が低いのが特徴。100%除梗し醸造。新樽率30%で12カ月熟成。この2010年ヴィンテージは2011年12月にボトリングされた。生産量は10樽で2920本のみ。(ラベルに生産本数が記載されている)
複雑で凝縮した黒い果実の香りと控えめな樽のニュアンスを感じる。シルクのような口当たりで、エレガントでナチュラルな果実味がワインの骨格を形成する。アフターにはタンニンと旨みが広がり、美しい余韻が残る一献。