【ジャック・プリュール】
18世紀末にムルソーに設立されたブルゴーニュを代表する名ドメーヌ、ジャック・プリュール。1988年にアントナン・ロデ社が提携後はドメーヌのクオリティーは飛躍的に上昇し、スケールの大きなワインを生産している。ドメーヌの所有する畑の殆どが特級畑と一級畑。1990年から指揮をとるのは天才女性醸造家、ナディーヌ・ギュブラン。1997年にはフランスで女性初のベスト・エノロジスト(醸造家)に選ばれたほど。1997年から全ての畑がビオロジック栽培となり、馬による耕作が行われている。プルミエクリュは新樽率25%で約18カ月熟成、グランクリュは新樽率100%で約24ヶ月熟成させる。
【2011年ヴィンテージ】
乾燥した穏やかな冬を経て3月の終わりに春が訪れた。夏を思わせるほどの暖かい気温によりブドウ樹は急成長し、4月の上旬には蕾が開き始めた。これは1994年から2010年の平均より3週間も早い記録となった。春から3カ月続いた暖かく乾燥した気候により5月の3週目から開花が始まった。これは通常より2週間以上早い開花となった。7月14日を過ぎてから冷たい風を伴う雨が降り、急激な天候の変化があった。ヴェレゾン(ブドウが色付くこと)は7月後半から始まり、ブドウの成熟は遅れたが、畑は健康的な状態を維持した。その後、天候は好転し、乾燥し美しく穏やかな気候になったことで収穫は8月の終わりから9月の中旬にかけて行われた。収穫時に良い天候が続いたことでブドウの完全な成熟を待って収穫をすることができた。2011年は滑らかで繊細で、比較的若いうちから楽しめるワインになった。
【コルトン・ブレッサンド】
ブレッサンドの畑はコルトンの丘の斜面中腹に位置する。南東向きで農道を挟んで上部にはルナルドとクロ・デュ・ロワ、下部はマレショードに隣接している。コルトンの単一区画の中でも濃厚で長熟な畑で定評がある。ドメーヌの所有区画は0.73ha。土壌は粘土石灰岩。新樽で21ヶ月熟成。フルーティで熟したブラックフルーツの複雑なアロマ。ブラック・ベリー、ブルー・ベリーなどベリー系のリッチな果実味が美しいアフターを演出する。リッチでデリシャスなタンニンが魅力の一献。
★ワインアドヴォケイト 93点
飲み頃:2015~2030年
Tasted blind at the Burgundy 2011 horizontal tasting in Beaune. Among several red Cortons tasted blind, Prieur’s Corton-Bressandes Grand Cru ‘11 has one of the most sophisticated and cerebral aromatics. It is well defined with blackberry, raspberry, mineral, black tea and marine influences that hold your attention. The palate is medium-bodied with ripe and supple tannins, nicely judged acidity and a harmonious, silky, almost Vosne-like finish that lingers in the mouth. This constitutes one of the finest offerings from Jacques Prieur this year. (eRobertParker.com #Special Interim Issue Report Nov 2014)