【オブリ・フェス】
オブリ・フィスは、モンターニュ・ド・ランスに居を構える、1790年創業のレコルタン・マニプラン。現在ドメーヌを率いているのはピエールとフィリップの双子のオブリ兄弟。そしてこのオブリ・フィスは、シャンパーニュにおける古代品種のブドウ、「プティ・メリエ」「アルバンヌ」「アンフィメ(ピノ・グリの古代名)」「フロモントー(ピノ・グリの古代名)」などを蘇らせた造り手として有名である。
現代シャンパーニュのブドウ品種といえば、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの三品種。しかし創業時の18世紀(1790年)にはこの他に4種類の古代品種が使用され絶妙にアサンブラージュされていたという。しかし、歴史の流れのなかでシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエが主流となり、古代品種はフランスでも絶滅しつつある希少な品種となってしまった。
この古代品種を復活させて18世紀のシャンパーニュを再現させようとしたのがオブリ・フェスである。しかしこの試みは一筋縄ではいかなかった。ブドウ品種の研究で世界的に名高いモンペリエの国立農学学士院で醸造学を学び、農業技師の免状を持つ兄フィリップは2年がかりで古代品種を探した。そしてついに僅かに現存していたアルバンヌ、プティ・メリエの苗木を入手した。1989~1990に植樹。1994年に初収穫し、ブドウの特性を研究しながら試行錯誤を繰り返した。その後、ピノ・グリ、ピノ・ブランなども植樹し、2004年7つのブドウ品種をアサンブラージュしたレジェンダリー・シャンパーニュ、「ル・ノンブル・ドール・カンパナエ・ウェテレス・ウィテス1999」をリリース。世界中のシャンパーニュ・ファンが驚愕し、フランスの専門誌でも「フィリップ・オブリが1790年のシャンパーニュを蘇らせた」と報じた。世界中のワイン専門誌を瞠目させたのは言うまでもない。
現在シャンパーニュで許可されている品種は以下の7種類。
○シャルドネ
●ピノ・ノワール
●ピノ・ムニエ
○ピノ・グリ(古代名フロモントーまたはアンフィメ)
○ピノ・ブラン
○プティ・メリエ(古代品種)
○アルバンヌ(古代品種)
オブリ・フェスの古代品種の復活はシャンパーニュの若い造り手にも大きな影響を与えた。若手の中にはアルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・グリ、ピノ・ブランなどの主要3品種以外のブドウを植樹する者が増えているという。
【ル・ノンブル・ドール・カンパナエ・ウェテレス・ウィテス・ブリュット】
7品種のブレンド率はヴィンテージごとに異なる。今回入荷の2009年は同じ区画に植樹されているピノ・ブラン&ピノ・グリ25%、プティ・メリエ25%、アルバンヌ20%、ピノ・ノワール20%、シャルドネ10%、隠し味的にピノ・ムニエ1%未満。ステンレスタンクで発酵後、マロラクティック発酵9カ月。瓶内熟成48カ月以上。複雑な香りで、プラムや花、焼きたてのブリオッシュ、石灰のようなミネラルにスパイスも感じられ、パワフルでリッチ、かつ洗練された口当たりが特徴。シャンパーニュ界に新たなステージを築いたオブリ・フィスによる至高の一本。
★ワインアドヴォケイト 93点+
飲み頃:2015~2025年
Even a riper vintage such as 2009 cannot mask the purity, delicacy and elegance of the Aubry house style. The 2009 Le Nombre d’Or Campanae Veteres Vites Brut, an assemblage of 25% field-blended Pinot Gris and Pinot Blanc; 25% Petit Meslier; 20% Arbanne; 20% Pinot Noir; and 10% Chardonnay, combines purity and precision with intensity and complexity. Impressively subtle and precise on the nose where citrus flavors are intertwined with delicate white tea flavors, bergamot, oysters and crushed rocks whereas on the palate this is a full-bodied and seriously minerally structured, vinous Champagne of great elegance, finesse and persistent expression. The mousse is exceptionally delicate and the aging potential should be terrific. The wine is beautiful to drink today but it will surely gain serenity over a decade or even more years. Disgorged in June 2014. Dosage: 3 g/l. Anticipated maturity: 2015-2025+(eRobertParker.com Nov 2014)