【ジャン・マリー・バンドック】
シャンパーニュを代表するグラン・クリュ村、ブジー。だがブジーのブドウの大半は大手メゾンに買われてしまい、ブジー100%のシャンパーニュは意外と少ない。そんな中、ジャン・マリー・バンドックは生粋のブジー100%の造り手。所有する3haの畑は全てブジーで、真南を向いた斜面にブドウ畑が広がっている。30センチ下は典型的なチョーク層で日照時間にも恵まれ、ブドウは十分に糖度を確保できる贅沢な環境。
ブジーは他のグラン・クリュに比べてアルコール度数が高く、凝縮度も高い。堅固な骨格を持つ男性的な味わいが特徴で、ジャン・マリー・バンドックのシャンパーニュはそんな特徴を見事に表現している。
彼は同じブジー村の造り手5軒と共にソシエテ・ヴィニョロンと呼ばれる組合を作っている。圧搾・発酵からティラージュまでの醸造設備を共有していて、以前はブノワ・ライエもこの組合に参加していた。小規模の栽培農家が自前の醸造設備を持つ事は難しく、共同で醸造設備を使うことでシャンパーニュ造りを可能にした。
収穫されたブドウは造り手ごとや畑ごとではなく、収穫のタイミングが合った畑を一緒に圧搾、発酵、熟成。翌年の2月に組合員が集まってヴァン・クレール(ベースになるワイン)の試飲を行う。その場で各造り手が独自のアッサンブラージュを行うという珍しいスタイル。このアッサンブラージュとリザーヴ・ワインの比率により造り手の個性が決定していく。
ジャン・マリー・パンドックの特徴は50%以上のリザーヴ・ワインを使用する事。「ブジーのピノ・ノワールは少し熟成することで深みと個性が出ると考えている。僕のシャンパーニュは独特の強さと厚みを持つ。なかには酒質が強すぎると感じる人もいるはず。でも、これこそがグラン・クリュ、ブジーなのさ」とジャン・マリー・バンドックは語る。
年間の生産量は20000ケースで、そのほとんどは個人向けに直売している。ブジーの醍醐味を満喫できる貴重な地酒のようなシャンパーニュ。
【グラン・クリュ・エクストラ・ブリュット・レクストラ・ド・ブジー】
ピノ・ノワール90%、シャルドネ10%。グラン・クリュのブジーの50区画以上のブドウを使用。セメントタンク100%で低温発酵。ステンレスタンクでマロ発酵をおこない、リザーブワインを約50%アッサンブラージュしてビン内2次発酵。48カ月間シュール・リー状態で熟成することでブジーの力強さを溶け込ませる。ドザージュ4g/Lのエクストラ・ブリュット。アフターに少し、スパイスやタンニンを感じる辛口。
フルーティーで力強いノーズを感じ、きめ細かい泡とその輝きが印象的。熟成感とフレッシュ感のバランスが素晴らしいキュヴェ。ブジーのテロワールを力強く表現している。白/特級畑/レコルタン・マニプラン