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ブラン・ド・ブラン・グラン・クリュ・シュイイ2012(A.R.ルノーブル)

【A.R.ルノーブル】
1度も大手資本が入ったことがない家族経営の小規模メゾン、A.R.ノーブル。創業は1915年。第一次大戦時、激戦地だったアルザスから追われシャンパーニュに移住したアルマン・ラファエル・グラッセ家がシャンパーニュを造り始めたのを起源とする。当時のシャンパーニュはドイツからの移民が多く、政治的にフランス人には厳しい環境だった。そのため、フランス名を名乗ることはできず、人名ではなく、高貴という意のフランス語「ルノーブル」と名乗った。初代当主はアルマン・ラファエルなので略したA.Rを付けて「A.R.ルノーブル」となった。現在は1993年から当主となった3代目のアンヌ&アントワンヌ兄弟がメゾンを仕切っている。
 
従業員は10人程度。醸造責任者は置かず、栽培・醸造はアントワンヌが担当。シャンパーニュの個性は「豊かさ」と「上品さ」のバランスだとアントワンヌは考えている。シャンパーニュの最低熟成期間は15カ月だが、彼等はスタンダード・キュヴェでも最低36カ月以上熟成させる。畑は自然環境を積極的に保護し、2012年にはシャンパーニュで2番目に「HVE(フランスの環境価値重視認定)」を取得した。
 
畑は本拠地のダムリーに2.5ha(ピノ・ムニエに最適な粘土石灰土壌)、プルミエ・クリュ・ビスイユに10ha(純度の高いチョーク質の畑)、そしてメゾンの最も重要な畑、グラン・クリュのシュイィに10haを所有。シュイィの表土は30センチのみで厚いチョーク層が続き、コート・デ・ブランで最も偉大なシャルドネを生む言われている。2002年よりビオロジック栽培に移行し、除草剤、防カビ剤、防虫剤は一切不使用。銅と硫黄もできるだけ使用しない。
 
痩せた土壌で下草も自由に伸ばしているので下草との共存で、年々収量は減っているが、ブドウの質は高まっている。ビオロジックに転換し区画毎の個性が鮮明になったという。区画毎に発酵させ、大樽、フードル樽、ステンレス、バリックを使い分けアッサンブラージュ。リザーブワインは大樽で90年代前半からソレラシステムで保存。長い熟成期間とリザーブワインにより複雑で高貴なシャンパーニュとして定評がある。

【ブラン・ド・ブラン・グラン・クリュ・シュイイ2012】
メゾンの最も重要なグラン・クリュ・シュイイ100%で造るヴィンテージ・シャンパーニュ。このキュヴェは良年のみ造られるというよりも、ヴィンテージの個性を強く感じ、長期熟成に耐えうる年のみ造られる。実際この2012年の前に造られたのは2008年になる。そう、2008年、2012年は2000年以降のシャンパーニュの中でも指折りの当たり年。

2012年は90%をステンレスタンクとフードルで発酵、熟成。10%をバリックで発酵、熟成。マロラクティック発酵を行うが25%はノン・マロラクティック。バックラベルによると2013年上半期にビン詰めされた。ドサージュは3g/L。
2012年のメゾン側のコメントは以下の通り。
「完璧なまでにバランスの整った2012年には、シュイイ・グランクリュのシャルドネに元来宿る卓越した特性が際立っています。豊かで軽やかなこのワインは、傑出した長期熟成の可能性を秘めています。今すぐ飲むもよし、あるいはあと数年待てば忘れがたいマリアージュを体験するでしょう」

【試飲】
2023年11月下旬に試飲した。試飲の感想を書こうと思ったが、ワインアドヴォケイトで2008年ヴィンテージ評を見つけ読んでみると、2008年評はそのまま2012年にほぼ当てはまると思い、私の稚拙な感想よりワインアドヴォケイト評を参照にしていただきたい。2008年のワインアドヴォケイト評は以下の通り。

「美しく濃厚でゴールドに輝く柑橘系の色調だ。驚くほどリッチで優しく、同時に繊細さ、正確さ、フィネスを持っている。このブーケは完璧に熟して芳醇で、繊細でフレッシュでもある。シュイイの石灰質土壌と温暖な微気候、そして完全に熟した健康的な果実を表現している。味わいのアタックは繊細でフレッシュであると同時に、ピュアで刺激的な香りが特徴。パイナップル、レモン、リモンチェッロなどの熟したジューシーなフルーツのフレーバーが、まろやかでクリーミーだが決して大胆でも重くもないテクスチャーと混ざり合う。この2008年のシュイイはデリケートで繊細な細工が施されていると同時に、しっかりとした構造を持っている。
私にとって、これはシュイイの象徴的なワインであり(コート・デ・ブランの中でもシュイイはキュイに次ぐ最北の村)、シャンパーニュの非常に多様なテロワールを理解するためにも強くお勧めする。2008年のフィニッシュはフレッシュで軽やかだが、同時に力強く持続性もある。これは素晴らしいヴァン・ド・テロワールで、正直に言うと飲んでいて止まらなくなった!」(ワインアドヴォケイト2018年9月1日号)

以上のように称賛し94点の評価。特に下記の点は印象的で共感した。
味わいのアタックは繊細でフレッシュであると同時に、ピュアで刺激的な香りが特徴。(全く仰る通り。気泡も繊細でガス圧はやや弱い)

パイナップル、レモン、リモンチェッロなどの熟したジューシーなフルーツのフレーバーが、まろやかでクリーミーだが決して大胆でも重くもないテクスチャーと混ざり合う。この2008年のシュイイはデリケートで繊細な細工が施されていると同時に、しっかりとした構造を持っている。(2012年も然りで、繊細で、デリケートだが支柱がしっかりとしたシャンパーニュだ。パイナップルは感じなかったが、ブラン・ド・ブランの王道を感じる繊細な旨味に溢れていた)

2008年のフィニッシュはフレッシュで軽やかだが、同時に力強く持続性もある。これは素晴らしいヴァン・ド・テロワールで、正直に言うと飲んでいて止まらなくなった!(2012年も軽やかだがエレガントなアフターが長く続く。これがシュイイのテロワールかどうか素人の私には分からないが、ついついお代わりして飲むのが止まらなくなったのは同じだ。気が付くといつもグラスが空になっていた)

一つはっきりしているのはチャーミングでエレガントな旨味溢れるシャンパーニュということ。ブラン・ド・ノワールの力強い果実味が好きな人にはやや物足らなさを感じるかもしれないが、ブラン・ド・ブランの優雅さが好きな人には超お勧めの1本。文句無しに美味い。

★ファルスタッフ 96点
Brilliant golden yellow. Attractive ripe, buttery notes, lemon compote with hints of fresh garden herbs, with air nuances of almond cream. Full of character on the nose, fine acidity, very complex with substantial palate drive, brooding minerality and vinous depth, impressively long finish. Very good ageing potential.(Falstaff:Tasting from 2020年11月19日Peter Moser)
 
*ファルスタッフは1980年にオーストリアで創刊されたワイン雑誌。日本ではあまり知られてないが、EUでは有名。現在ワイン、グルメ、旅行に特化した雑誌で発行部数は15万部。毎年オーストラリア語、ドイツ語、英語による年間ワインガイドも発行している。WEB版でも記事を閲覧できる。
 

  • ブラン・ド・ブラン・グラン・クリュ・シュイイ2012(A.R.ルノーブル)

  • 販売価格

    10,450円(税込)

  • メーカー希望小売価格

    15,400円(税込)

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