【アルフレッド・グラシアン】
1864年に設立されたシャンパーニュを代表する名メゾン、アルフレッド・グラシアン。フランスのシェフやソムリエから高い評価を受け支持されている。ル・ブリストル(★★★)、アストランス(★★★)、ピュール・ガニェール(★★★)、ルドワイヤン(★★★)、ギィ・サボア(★★★)、アピシウス(★★)、タイユヴァン(★★)など星付きレストランを筆頭にオンリストしている店は枚挙に暇がないほど。今は無きコンコルドや数多の航空会社のファーストクラスにも採用されている。
代々メゾンのセラー・マスターを務めるのはジェジェ家。現セラー・マスターのニコラ・ジェジェで4代目となり、100年以上にわたって伝統と技術が受け継がれている(2018年にニコラは仏のワインガイド「ギド・アシェット」誌において最優秀シャンパーニュ・メーカーに選ばれている)。アルフレッド・グラシアンが、契約している栽培農家から購入しているブドウの62%は特級畑と一級畑のもの。毎年最高品質のブドウを保持するため出来上がったシャンパーニュを栽培農家と一緒に試飲して品質のチェックを行っているという。
現在シャンパーニュはステレンスタンクでの発酵が主流だが、クリュッグと同様の昔ながらの樽発酵(228L)を行っている。樽はシャブリの生産者から購入した古樽を使用。栽培農家、畑ごとに醗酵(15日前後)を行い、その後6カ月間シュール・リーの状態でそのまま寝かす。バトナージュ、及びマロ醗酵は一切行わない。樽発酵後にじっくりと寝かすことで古樽を通過する微量の酸素で「旨みのある柔らかい酸」に変化するという。ビン内2次発酵中のルミュアージュはすべて手作業で行う。長い熟成期間を経て仕上がったシャンパーニュは深遠な旨みを持った美酒となる。
【ブリュット・ミレジメ2012】
シャルドネ 65%、ピノ・ノワール20%、ピノ・ムニエ15%。発酵と熟成は228Lのバリックで行うが、マロ発酵は行わない。ヴィンテージ・シャンパーニュは王冠ではなく専用のコルクにより約10年熟成。ドサージュ8g/L。2012年はシャンパーニュの超当たり年。今回入荷のロットは2022年1月デゴルジュマン。
黄桃やマンゴーなど黄色い果実とローストアーモンドの香りが初めに立ち上がり、その後すぐにタイムや白コショウなどの繊細なスパイス香、ハチミツ、ジャム、ヘーゼルナッツの香りを感じる。クリーミーでバランスの良い果実味がしなやかに口中に広がり、長いアフターが印象的な一献。白/ACシャンパーニュ/ネゴシアン・マニプラン