【ロッコロ・グラッシ】
ロッコロ・グラッシはヴェローナの北東、メッツァーネの谷に位置するワイナリー。家族経営の早飲み用の安ワインを生産していた無名のワイナリーだったが、1996年現当主のマルコ・サルトリになって改革が始まった。ブドウ栽培、醸造法などを一新し、2000年代に入るとヴァルポリチェッラの新世代として注目される存在となった。
ヴァルポリチェッラが造られるのはヴァル・フレッダ畑。丘の上部に位置し、年間を通して冷たい北風が吹き下ろす。粘土を主体に砂質が比較的多く、石灰の含有率も高め。砂質と石灰が強く出る土壌はフレッシュさを残しながらブドウは完熟する。コルヴィーナ種にとって完璧な畑だという。
アマローネが造られる畑はサンブリッチョ。畑の裏には小さな休火山があり、土壌には火山由来の玄武岩を多く含まれる。玄武岩はマンガンを多く含み、ブドウにミネラルを与える。土壌は痩せて水分量が少ないので凝縮したブドウが収穫できる。まさにアマローネのための畑だという。
畑では有機栽培。全てのブドウ樹はナンバリングがされ、品種、クローンのタイプまで細かく管理されている。どのクローンがどの土壌、日照条件と相性が良いかを毎年検証して、今後の栽培に反映させている。ブドウの持つ特徴を最大限に表現するため研究を怠らない。そんな執拗なこだわりから産まれる彼らのワインは香り高く、エレガントで、フレッシュな風味を持つ濃密な逸品となる。
【アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ】
サンブリッチョ畑から造られる。ここのブドウは全てアマローネかレチョートになる。9月末日の収穫。12月まで自然風で乾燥。ワイナリーの扉を開けて冷気を取り入れながらゆっくりと1カ月近い発酵を行う。早めの収穫でフレッシュさを。長い発酵で複雑味を得る。熟成は新樽率50%で26カ月熟成。その後ビン熟24カ月以上を経てリリース。コルヴィーナ・ヴェロネーゼ60%、コルヴィノーネ15%、ロンディネッラ20%、クロアティーナ5%。樹齢40年以上の古樹も含まれる。赤/DOCG/ヴェネト
★ヴィノス 95点
飲み頃:2025~2038年
The 2017 Amarone della Valpolicella dazzles with a remarkably fresh and perfumed bouquet, as spiced citrus rinds and dusty cherries are complemented by violet and lavender nuances. This is total elegance on the palate, seamlessly silky and enveloping, with a core of mineral-tinged acidity that helps to invigorate its depths of dark red fruit and exotic spice. The 2017 lingers on with a primary saturation and coating of sweet tannins as blood-orange traces resonate under an air of purple-toned inner florals.(By Eric Guido on December 2022)