【ビッビアーノ】
サンジョヴェーゼの達人、故ジュリオ・ガンベッリ。14歳からビオンディ・サンティで学び、その後カーゼ・バッセ、モンテヴェルティーネ、ポッジオ・ディ・ソット、ヴィラ・ローザなどを数多の名ワイナリーを指導した人物。彼は醸造家ではなく、試飲を通してワイン造りを指導するコンサルタントであった。数値分析に頼ることなく、天才的な試飲能力で、収穫のタイミングや畑の性質を的確に見抜いたという。サンジョヴェーゼの個性を最大限に引き出す手腕には定評があった。ジュリオ・ガンベッリの晩年は穏やか人柄だったが、初期はかなり厳しく、多くの造り手が彼の高い要求に耐えられずに喧嘩別れしたところもあったという。
そんなジュリオ・ガンベッリが1942~2004年まで60年以上コンサルタントを務めたワイナリーがビッビアーノである。ビッビアーノは彼の思想を今に残している代表的な造り手。1865年に設立されたワイナリーで、キンアティ・クラシコの中で最古の歴史を持つ一つと言われている。30haの敷地にブドウ畑、オリーブ畑、森を所有している。栽培する品種は土着品種のみで、サンジョヴェーゼ・グロッソ、サンジョヴェーゼ、カナイオーロ、マルヴァジア・ネラ、チリエジョーロ、コロリーノ、トレビアーノ、マルヴァジア・トスカーノ。
ジュリオ・ガンベッリからの教えは細部にわたるが、まずは徹底的な醸造所の洗浄と有機栽培。最適なタイミングでの収穫(早いのも遅いのも駄目)。そして、長いマセラシオン。特に彼はサンジョヴェーゼを長くマセラシオンすることを重要視していた。
亜硫酸の添加なしでの長期マセラシオンでしかサンジョヴェーゼの本当の美味しさは出てこないと考えた。その為に必要だったのが有機栽培での豊富な野生酵母と清潔な醸造環境でのバクテリア抑制。そして、長いマセラシオン中に酢酸が発生しない為に腐敗果なしの健全なブドウだった。あとは野生酵母で温度管理をしない自然発酵での醸造であった。出来上がったキアンティ・クラシコは若いうちからの楽しめ、長期熟成も可能なサンジョヴェーゼの魅力に溢れている。ビッビアーノのワインは故ジュリオ・ガンベッリのサンジョヴェーゼの理想が詰め込まれた一献。
【キアンティ・クラシコ・リゼルヴァ】
敷地内丘陵の南西及び北東向きの両斜面で収穫されたブドウを使用。サンジョヴェーゼ100%。畑は石灰粘土質土壌。除梗後、ステンレスタンクとセメントタンクで23日間発酵、マセラシオン。セメントタンク50%、仏産のオーク樽50%で18カ月熟成後、約6カ月以上のビン内熟成を経てリリース。
★ワインアドヴォケイト 92点
飲み頃:2022~2028年
The 2019 Chianti Classico Riserva is organic Sangiovese that ages in equal parts cement and tonneaux after a 23-day maceration in stainless steel. The wine offers bright intensity and lively fruit with cherry, wild berry, earth and candied orange peel. It wine shows medium-rich concentration and good acidity. This is a 30,000-bottle production.(Wine Advocate Published:Feb 10,2023)
★ワインスペクテーター 91点
飲み頃:2024~2038年
An elegant style, with pure strawberry and raspberry flavors. Features flashes of wild rosemary and sage, with an earthy accent. Delivers dusty tannins, which should integrate with another year or two of aging. Drink now through 2029. (Wine Spectator Issue:Aug 31,2022)
★ヴィノス 90点
飲み頃:2022~2025年
The 2019 Chianti Classico Riserva is an attractive, easygoing wine. Sweet dried cherry, incense, tobacco, cedar and cinnamon lend aromatic brilliance to this silky, mid-weight Riserva from Bibbiano. Drink it up.(By Antonio Galloni on June 2022)