【トゥア・リータ】
わずか20年足らずでトスカーナのスーパースターの仲間入りを果たしたトゥア・リータ。今やイタリアワイン界を代表する造り手。
1984年ヴィルジリオとリータ夫妻が全国的に全く無名であったトスカーナ州、スヴェレートの畑を購入したことからワイナリーはスタートした。当時夫のヴィルジリオ・ヴィスティはゲーム機の販売をしていたが、夢は自分の畑を持つことだった。ある日仕事で立ち寄ったスヴェレートに運命的なものを感じたのか、長年の夢をかなえるために畑を購入した。その畑は少しのブドウとオリーヴや麦などしか植えていなかった。わずかに植わっていたサンジョヴェーゼの代わりにメルローとカベルネを植樹した。平日はゲーム機の仕事をし、週末は夫婦で畑仕事に励み、同時にワイン造りの勉強も行った。やがて彼は「世界的レベルのワインを造る」ことを決意する。丁寧に育てられたカベルネやメルローは、やがて実を結びはじめる。1989年、当時28歳という若さながらすでに天才醸造家として頭角を現しはじめたルカ・ダットーマと契約し、ワイナリーとして本格的に動き始める。
そして記念すべき初ワイン、ジュスト・ディ・ノートリ1992をリリースする。これが初ヴィンテージにかかわらず、世界中のワイン関係者から賞賛され衝撃のデビューとなった。そして、その後の快進撃は飛び鳥を落とす勢いだった。1994年ヴィンテージではガンベロロッソで3グラス(トレ・ヴィッキエーリ)を獲得し、その後は毎年名を連ねる存在に。94年ヴィンテージからメルロー100%のレディガフィもリリースする。ワイナリーが初めてワインをリリースして6年目であるにもかかわらず、レディガフィの97年ヴィンテージはワインスペクテーターで満点の100点を獲得するという快挙を成し遂げる。さらに2000年ヴィンテージにおいては、ワインアドヴォケイトでも100点を獲得。その後止まることのないトゥア・リータの飛躍は周知の事実である。
【ジュスト・ディ・ノートリ】
看板ワインであると同時にワイナリーの魂ともいうべきワイン。2021年はカベルネ・ソーヴィニョン80%、メルロー10%、カベルネ・フフラン10%。ちなみに自家ビン詰めを始める前まではカベルネ・ソーヴィニョンとメルローはサッシカイアに供給されていたという。オークの大樽で発酵後、バリック(225L)でマロ発酵。その後、新樽率50%で18カ月熟成。
プルーンや桑の実など数えきれない果実味の香り、きめ細かいシルクのようなタンニンとヴォリューム感溢れる果実味で優雅な仕上がりとなった1本。
★ワインアドヴォケイト 96点
飲み頃:2024~2040年
Here’s a wine that takes us to a vintage that excels in terms of general fruit clarity and precision. The 2021 Giusto di Notri is 80% Cabernet Sauvignon, 10% Cabernet Franc and 10% Merlot that ages in new oak (50% of the wine) with the other half going into second- and third-passage barrel. Intensity and depth are highlighted nicely here in a vintage that ended on October 16th (much later than 2020). This benefits complexity and aromas. The vintage also delivers more freshness and balanced tannins (without the sharper edges you get in 2020). This is a beautiful wine, one that's set up for long cellar aging. (Wine Advocate Issue Mar22,2024)