【チャッチ・ピッコロミニ・ダラゴナ】
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを代表する名匠、チャッチ・ピッコロミニ・ダラゴナ。伝統的な大樽熟成醸造により、エレガントで高貴なワインを産み出すことで定評がある。ワイナリーの起源は遡ること17世紀、モンタルチーノの司教で銘家、ヴェスコヴォ家。19世紀にフランシスコ・チャッチがブドウ園を購入し、その後、ピッコロミニ・ダラゴナ家との結婚によりチャッチ・ピッコロミニ・ダラゴナが誕生した。1980年代には数多のワイン専門誌に取り上げられ、ブルネッロを代表する造手の一人として世界的に認知されたのは周知のこと。1985年当主が死去し、相続人がいなかった荘園は遺言により最も信頼の厚かった農夫のジュゼッペ・ピアンキーニに相続された。2004年ジュゼッペは死去し、現在は息子のパオロと娘のルチアが後を継いでいる。
畑は全て有機栽培で除草剤などは一切使用しない。森に囲まれているので毎年20%は鹿に食われてしまう。逆に言えば鹿が食べたくなる旨いブドウということ。薬品まみれで造られたブドウを鹿は食べない。ブドウですべてが決まると考え、法定基準の3/4まで収量を落とし凝縮したブドウを収穫している。濃密でありながらエレガントなワインは長熟でいつも飲む者を魅了する。
このワイナリーを語るとき外すことのできないのが、17世紀から続く銘醸畑、ピアンロッソ。ブルネッロ最高峰の畑の一つとして知られる。標高は240~300m。名前の通り赤土の土壌で、粘土に石や砂が混じっている。赤土は鉄分やマグネシウムを多く含み、石は石灰を含む。この土壌のバランスが傑出したブドウを生み出している。
【ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・ピアンロッソ】
ワイナリーの看板ワインであると同時にブルネッロを代表する1本。良年しか造らない単一畑のキュヴェ。発酵はステンレスタンクと内側をガラスコーティングしたセメントタンクに分けて行われる。その後、20~62hlのスラヴォニア産の大樽に移して36カ月以上熟成。アッサンブラージュしてセメントタンクで休ませてからボトリング。8カ月間ビン熟成を経てリリースされる。
ワインアドヴォケイト評を要約すると以下の通り。
「チャッチのブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・ピアンロッソ2017は、素晴らしいバランスとエレガントさを備えている。決して楽なヴィンテージではなかったが、醸造スタッフの巧みな手腕が発揮されている。この美しいワインは、鉄分を含んだ土っぽい香り、リコリス、グリルしたハーブとともに、新鮮なチェリーと野バラの香りがたっぷりと漂い、月桂樹の葉とローズマリーの小枝の香りも感じられる。単一畑のピアンロッソは、最初から最後までワインに付随する甘いチェリーの香りと (15% という高いアルコール度数) が特徴だ」
★ワインアドヴォケイト 94点
飲み頃:2024~2042年
The Ciacci Piccolomini d'Aragona 2017 Brunello di Montalcino Pianrosso shows nice balance and elegance, and it definitely shows the deft hand of the winemaking team in what was not an easy vintage by any stretch. This pretty wine delivers lots of fresh cherry and wild rose, with ferrous earthy, licorice and grilled herb; I also get bay leaf and rosemary sprig. Like the annata 2017 Brunello produced by this estate, the single-vineyard Brunello Pianrosso is distinguished by a sweet cherry note (plus a hefty 15% alcohol) that accompanies the wine from start to finish. Production is 37,000 bottles.(Wine Advocate Published: Feb18,2022)