【アゼリア】
アゼリアはバローロで有名なカスティリオーネ・ファレットの中心部に位置する家族経営のワイナリー。設立は1920年で現当主は4代目ルイジ・スカヴィーノ。設立当時は伝統的なスタイルの造り手であったが、1980年代後半にバリックによる熟成を開始。1990年代に革新派のマニフェストを採用後、1995年にバローロを近代化したルネッサンスの担い手マルク・ディ・グラッツィアのグループに加入し、バローロ・ボーイズの一員としてアメリカで人気を博す。ちなみにここがスカヴィーノ家の本家で、パオロ・スカヴィーノとは親戚関係。醸造所も隣同士である。
ブドウは全て自社畑で、畑はカスティリオーネ・ファッレット、セッラルンガ・ダルバ、モンテルーポ・アルベーゼに存在する。4つの銘醸畑を所有し、その筆頭はブリッコ・フィアスコである。畑は古樹が多く、テロワールの特徴を最大限に引き出すためにビオディナミを採用(認証は無し)。厳しい選果によりオフヴィンテージの時であっても飲む者の期待を裏切らない傑出した仕上がりをみせることで知られる。華やかな香りで秀逸なバランスを持った濃密な果実味が魅力。それでいてワインは非常に洗練されており、比較的早くから飲むことが出来、長期熟成も可能である。
【バローロ】
7カ所の自社畑のブドウをブレンドして造られるワイナリーを代表する伝統的なバローロ。ブドウの平均樹齢は50年の古樹。洗練されたアロマはカスティリオーネ・ファッレット地区の5つ畑から、力強さはセッラルンガ地区の2つ畑から。各畑の特徴が交わり複雑さを生んでいる。ステンレスタンクで発酵後、オーク樽にてマロラクティック醗酵。スラヴォニア産、オーストリア産、フランス産の容量が異なるオーク樽(25~50HL)で24カ月熟成。ノンフィルターでビン詰め後、ビン熟12カ月以上を経てリリースされる。
秀逸な仕上がりとなった2019年のワインアドヴォケイト評を抜粋すると以下の通り。
「2019年のバローロは軽やかな果実味にリコリス、たくさんの青い花が混じった美しいブーケを持っています。ワインはミディアムボディで生き生きとしています。深みとエレガンスを示すクラシックなネッビオーロの素晴らしい表現です」
★ワインアドヴォケイト 93点
飲み頃:2024~2040年
The 2019 Barolo has a pretty bouquet that is laced with light fruit, licorice and lots of blue flower. On the palate, the wine is mid-weight and lively. This is a nice expression of classic Nebbiolo that shows depth and elegance. It ferments with ambient yeasts and sees 40 days of extended maceration with submerged cap. This 29,400-bottle production represents a blend of fruit from seven sites: Altenasso and Solanotto in Castiglione Falletto, a part of Cerretta, the younger part of Bricco Voghera where the vines are from 55 to 60 years old, part of San Rocco, and Cerrati and Broglio in Serralunga d'Alba. (Wine Advocate Published: Aug 25, 2023)