トスカーナを代表するサンジョヴェーゼ至上主義の造り手、フォントディ。ワイナリーがスタートしたのは1968年。当時のキアンティは白ブドウをブレンドさせ酒質は薄く、安ワインの代名詞の様な存在だった。その現状に疑問を持ち、サンジョヴェーゼを信じ、サンジョヴェーゼだけで素晴らしいワインが造れるはずだと挑んだ。その姿はモンテヴェルティーネの故セルジオ・マネッティにオーバーラップする。
当時サンジョヴェーゼ100%でキアンティを造ることは認められていない。それが公になれば法律違反となりキアンティを名乗れなくなる。反骨のセルジオ・マネッティはキアンティ・クラシコ協会を脱退し、全てテーブルワインとして販売した。一方フォントディのマネッティ家(奇しくも同じ姓)はサンジョヴェーゼ100%であることは内密にしてキアンティとして造り続けた。その後、サンジョヴェーゼ100%で造るキアンティの素晴らしさが広く認知され、ついに法改正が行われサンジョヴェーゼ100%でもキアンティと認められるようになった。
フォントディはサンジョヴェーゼにこだわり、その土地の持っている個性を最大限に引き出そうとした先駆者の一人であった。名エノロゴ、フランク・ベルナベイの起用し、80年代後半から飛躍的に品質が向上していった。今やイタリアの全ワイン専門誌、ワインアドヴォケイト、ワインスペクテーターなどで常に高評価されているのは周知のことである。ワインスペクテーター1999年11月号でフォントディの現当主、ジョヴァンニ・マネッティはインタビューでこう語っている。
「フォントディの造るワインがイタリア最良のワインであることは明白だ。私はサンジョヴェーゼを信じている。カベルネやメルローは世界中どこでも造れる。だがサンジョヴェーゼ違う。特別の存在だ。なぜならそれはトスカーナのためだけのものだから」まさにサンジョヴェーゼ至上主義を象徴する言葉である。
【フラッチャネッロ・デッラ・ピエヴェ】
一躍フォントディの名を世界に轟かせたスーパータスカンがこのフラッチャネッロ。当主のジョヴァンニ・マネッティが「私の息子」と公言するほど思い入れの強いワイン。まさにフォントディの全てが集約された偉大な1本。ちなみにラベルの十字架は人と大地の繋がりを象徴するもので、テロワールとワイナリーの歴史を尊重する気持ちが込められている。
畑はコッリ・トスカーナ・チェントラーレに位置し、有機栽培のサンジョヴェーゼ100%で造られる。平均樹齢30年以上。完熟した健全なブドウだけを手摘みで収穫し、ステンレスタンクで3週間発酵。マロラクティック発酵は樽を使用。アリエ産とトロンセ産のバリック(小樽)で24カ月熟成。新樽率80%。その後最低10カ月以上のビン熟を経てリリースされる。
2021年のキアンティ・クラシコ地区は超当り年となった。
ヴィノスの編集長アントニオ・ガローニはフォントディの2021年をこう称賛している。
「私が訪問した際、オーナーのジョヴァンニ・マネッティと彼の息子のベルナルドが素晴らしい2021年産のワインでもてなしてくれた。テロワールの真髄を表現した彼らのワインは、今日、より洗練されたスタイルへと変貌を遂げている。収穫時期を少し早め、フレンチオークの影響を抑えたことが大きな変化をもたらした。2021年のワインは絶対的にお薦めだ」(ヴィノス 2024年7月号)
ワインアドヴォケイトのモニカ・ラーナーもこう称賛した。
「ジョヴァンニ・マネッティは2021年をエレガントに表現し、素晴らしいワインの数々を生み出した」(ワインアドヴォケイト2026年7月26日号)
ちなみにワインアドヴォケイトでは2021年のスーパータスカンを283本テイスティングしており、フラッチャネッロ・デッラ・ピエヴェは98点で2位にランクインした(1位はペルカルロ(サンジュスト・ア・レンテンナーノ)99点)。この2021年は2016年、2019年に匹敵するワイナリーを代表する歴史的1本となった。
★ワインアドヴォケイト 98点
飲み頃:2025~2050
The Fontodi 2021 Flaccianello della Pieve opens to a medium-dark inky appearance and solid aromas of black fruit and pressed blackberry. The Flaccianello is a touch more accessible at this early stage compared to the Vigna del Sorbo, but both wines are undoubtedly built to withstand ample cellar aging. Flaccianello is the more powerful or the two, and the Vigna del Sorbo is more delicate in comparison. These dueling character traits are especially evident in this classic 2021 vintage. This wine also boasts a more generous mouthfeel supported by softly integrated tannins.(Wine Advocate Published:Jul 26,2024)
★ヴィノス 98点
飲み頃:2028~2046年
The 2021 Flaccianello della Pieve is another exceptional wine from Fontodi this year. Ripe, silky tannins wrap around a core of dark fruit as the 2021 makes its presence felt from the first taste. Sumptuous, racy and dense, this is just magnificent. As has been the case for some time, Flaccianello is a blend of mostly three parcels throughout the estate but closer to town.(By Antonio Gallani on June 2024)

▲Wine Advocate トスカーナワイン2021年の283本中2位の評価




