【ドメーヌ・シャルヴァン】
ドメーヌ・シャルヴァンは1851年にギョーム・シャルヴァンによってシャトーヌフ・デュ・パプ北端のオランジェに創設された。当初は野菜とブドウの栽培を行う典型的な栽培農家だった。このドメーヌが一躍注目されるようになったのは1990年に現当主ローラン・シャルヴァン(6代目)が20代の若さで相続してから。
畑を除草剤や防虫剤などを一切使用しない有機栽培に転換し、量より質に切り替えた。それを機に今までほとんどをネゴスに樽売りしていたワインを自家ビン詰に切り替えた。ファーストヴィンテージは1990年。当時全く無名だったこのファーストヴィンテージをロバート・パーカーが称賛し一躍注目を浴びる。パーカーはシャルヴァンをこう初紹介した。
「このワインは今回のシャトーヌフ・デュ・パプの旅における最もエキサイティングな発見だ。この小さな生産者(シャルヴァン)は、北側に畑を持ちジャック・レイノーのシャトー・ラヤスのスタイルに似ている以上に、威風堂々の1990年のシャトーヌフ・デュ・パプを造ったのである」(ワインアドヴォケイト1992年10月23日号)
その後シャルヴァンはパーカーのお気に入りのドメーヌとなり、1990年から2011年のヴィンテージまで、バレル、ビン詰め後、熟成後のテイスティングなどワインアドヴォケイトで47回も掲載している。例えば2001年はバレルテイスティングで94~97点の評価でこう評している。
「2001年のシャトーヌフ・デュ・パプは、ローラン・シャルヴァンによって生み出された最高の作品となるはずだが、2000年と1998年の素晴らしい出来を考えると、少し時期尚早かもしれない。濃厚でパワフルでありながらエレガント、豊かなテクスチャー、45秒のアフターは、まさにブドウの果実その物を表現している。シャトーヌフ・デュ・パプがフィネスとエレガンスのワインであるはずがないと信じている読者はぜひシャルヴァンを味わって欲しい」(ワインアドヴォケイト2003年2月28日号)
パーカーがシャルヴァンに関してよく書いていたことは以下の3つ。
*シャルヴァンは私がシャトーヌフ・デュ・パプで仕事をしているときに発見した自慢の生産者。
*シャルヴァンのワインは並外れた(果実の)純粋さ、エレガンス、複雑さに満ちている。
*ジャック・レイノーのシャトー・ラヤスのスタイルに非常に似ている。
なかでもシャトーヌフのカリスマ、故ジャック・レイノーの名前が何度も出てくるのが印象的だ。
現在畑はシャトーヌフ・デュ・パプに8ha、シャトーヌフに隣接するコート・デュ・ローヌに12haを所有している。畑は全てシャトーヌフの北のエリアにあり、多くは北向きの斜面に広がっている。北向き斜面は日照量が比較的少なく、ブドウの成熟がゆっくり進むのでフェノール類が複雑で豊富になるという。ブドウの平均樹齢は50年以上古樹ばかり。最も古いものは1910年に植樹されたもの、一番新しいものでも1970年代に植樹されたもの。醸造は除梗せずセメントタンクで自然酵母を使用し全房発酵。マセラシオンは約1カ月と異例の長さ。現在主流になっているバリック(小樽)による熟成は一切行わない。伝統的醸造法にこだわり、現在主流のモダンなシャトーヌフとは一線を画するピュア一献。
【シャトーヌフ・デュ・パプ】
14区画の畑をブレンド。樹齢は50年~80年の古樹。2020年はグルナッシュ82%、ムールヴェードル5%、シラー5%、ヴァカレーゼ4%、クノワーズ4%。
全て手収穫で自然酵母による大型セメントタンクで全房発酵。マセラシオンは約1カ月間。その後、移し替えをしてセメントタンクで21カ月間熟成し、ノン・フィルターでビン詰め。
ヴィノス評を抜粋すると以下の通り。
「熟した赤い果実、ブラックベリー、リコリスの繊細なアロマに加え、ドライタイムとラベンダーのほのかな香りが広がりまるフレッシュな赤ワイン。フルボディでリッチ、そして重層的な味わいは、フレッシュな酸味と完璧なバランスを保っており、風味豊かな余韻が長く続きます」
★ヴィノス 94点
飲み頃:2025~2040年
A blend of 82% Grenache, 5% Mourvèdre, 5% Syrah and equal proportions of Vaccarèse and Counoise, the 2020 Châteauneuf-du-Pape spent 21 months in concrete vats. The result is a vibrant red wine, bursting with precise aromas of ripe red fruits, blackberry, licorice as well as hints of dried thyme and lavender. Full-bodied, rich and layered, it is flawlessly balanced by fresh acidity and ends with good persistence on the savory finish.(By Nicolas Greinacher on April 2023)




